DVD バップ 2000/09/01 ¥4,800
『ベルリン天使の詩』『パリ・テキサス』で知られるヴィム・ヴェンダース監督によるミュージックドキュメンタリー映画。かねてからヴェンダースと親交のあったギタリスト、ライ・クーダーが、97年にキューバの古老ミュージシャンたちと製作し、世界的ヒットとなったアルバム『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』。
この作品がきっかけとなり、ライ・クーダーと共に撮影クルーを伴ってキューバへ二度目のレコーディングに同行した。彼らのレコーディング風景とアムステルダムやカーネギーホールで行われたコンサート映像を中心に、メンバーへのインタビューで構成されている。もちろん彼らの演奏だけでなく、その人間的な魅力にどんどん引き込まれてしまう作品だ。彼らの音楽に対する想いをつづりながら、キューバという特異な環境を今までにないアプローチで映しだしている。
このクラブの誰かが最近なくなったよね。新聞で見ました。ドキュメンタリー?ミュージッククリップ?いたって平凡な感は否めませんな。プシュー。  
DVD ビデオメーカー 2002/05/24 ¥4,980
カウリスマキは85分以上の映画を撮るとワケが分かんなくなるのか、この95分は実に耐え難く、永遠にも思えた。今度の彼らの魂はエラく暗く、メキシコを後にした連中は、NYへ、更に大西洋をボートで渡ってフランスを転々、そしてドイツに入り、チェコからポーランド、果ては生まれ故郷の極北のツンドラ地帯へと舞い戻るのだが、いくらなんでも落ち着きがない。にも関わらず、映画はテンポというものを逸し、結局突っ伏して動かない。前作のラストで消えた、あの極悪非道マネージャー、ウラジミール大佐(’95年に急逝したM・ペロンパー)が突如現われ、“モーゼの生まれ変わり”宣言。聖書にあるような巡礼の旅をマジに繰り広げるんだから参るよな。ナンセンスが度を越して全く笑えない、狂気のオフ・ビートぶりではあります。
グゲゲゲゲ、前作のテンポはどこへやら。なんか展開が強引過ぎないかい?ちょいといただけませんやね。期待してただけにちょっと拍子抜け。途中で眠くなっちゃいました。残念。
DVD ビデオメーカー 2003/02/28 ¥4,700
暗黒街に身を投じ、実際に11年の服役経験を持つジョゼ・ジョヴァンニの自伝的作品。賭博師の父・ジョーとの確執を抱えるマニュは、暗黒街に身を投じ、やがて見せしめの死刑を宣告されてしまった。ジョーは確執を越え、息子の命を救うために奔走する。
有名な『穴』の原作脚本を手がけた、ジョゼ・ジョヴァンニが父にささげた映画ととるべきか。若い頃にできた溝は、長い年月をかけてお互い深く愛するにいたっても、関係を隔てる。くだらない矜持がゆえか、それとも、自分の過ちへの恥ずかしさからか。どんな思いが交差しようとも、家族である。父は、最初から我が子を愛す。子供は成長しようやくそのことに気づいていく。しかし、気づいた時には溝は修復できぬほどに深くなっている。それが、遠い過去となるほどに修正は難しいのか。なるほど、そのような苦悩は、ただの感傷に過ぎない。だが、それを認め、父の胸に飛び込む勇気がいかほどのものか、どんなに成熟した大人であっても、いや、大人であればあるほど、それは難しいことなのだ。そう、それはただの感傷に過ぎないが、美しい感傷だ。偉大な苦悩なのだ。そのもどかしさゆえ、父と子の間系はドラマとなりうるのだ。
ジョヴァンニは、この作品によってようやく、父との完全な和解を、そして、過去を詫びることができたのである。悲しみが、偉大な作品を作り出す。悲しくも、美しい1つの事実である。 
ISBN:4003360133 単行本 久保 勉 岩波書店 ¥500
原題の「シンポシオン」とは「一緒に飲む」というほどの意味。一堂に会した人々がワインの杯を重ねつつ次々にエロス(愛)讃美の演説を試みる。最後に立ったソクラテスが、エロスは肉体の美から精神の美、さらには美そのものへの渇望すなわちフィロソフィア(知恵の愛)にまで高まると説く。さながら1篇の戯曲を思わせるプラトン対話篇中の白眉。
エロスとは。。。
面白かったけど、もっと良く理解するために、イリヤスとか、オデュッセィヤとか読んでから再読しようと思う。自己を永遠たらしめたいと欲する人物は生産に向かう。よって女性を愛する。。。?
DVD ポニーキャニオン 2000/08/19 ¥4,700
11歳の少年アレックス(ジョーダン・キズック)は、ポーランドのユダヤ人強制居住区で父や伯父とともに窮屈な生活を送っていた。毎日読む「ロビンソン・クルーソー」の本だけが心の支えだ。ある日、ユダヤの完全一掃が始まり、最愛の父ひとりだけが別の場所へ連行されてしまう。アレックスは兵士たちが気をとられた隙に飛び出し、「きっと迎えに来るから」という父親の言葉を信じて、居住区の廃墟の中でひとり生き延びようとする…。
ひっそりと静まり返った強制居住区の中で、食料を探し、見回りに訪れるナチス軍から身を隠して生きる毎日は緊張の連続。しかしこの映画の凄さは、そんな悲惨の状況の中でも、好奇心をもち、頭を働かせて生き延びようとする人間の生命力の強さにある。ナチス軍の恐怖を差し引けば、誰も居なくなった街を行くアレックスの表情には、「冒険する楽しさ」さえ感じさせる。地味だが、力強い感動作だ。
これ実話みたいだね。すごいね。ゲットーを庭と称する皮肉がぴりりときいとる。でもこれは脚色もかなりあるね。もっとひどかったんじゃないかね、実際は?
  
ISBN:4870315750 単行本(ソフトカバー) 李 英和 飛鳥新社 ¥1,200
世界一危険で謎に満ちた権力者キム・ジョンイルの全貌を、膨大な資料と証言をもとに描き、韓国で発売禁止となった問題作。細かい修正や「金正日の犯罪」などの項を加筆して出版。北朝鮮体制の矛盾と実像を明らかにする。
入門ってか、大体のことがわかると思います、これ読めば。ただ、北朝鮮の方々の名前の読み方がややこしくて、ちょっと苦労しますた・・・。
ISBN:4334031943 新書 磯部 潮 光文社 ¥700
人格障害と診断が可能な人たちのなかには、特異な才能を持った人が一部に存在します。彼らの多くは生活が破綻し、アルコールや薬物に手を出したり、自殺を何度も試みたり、実際に自殺してしまったり、友人関係や異性関係がいつも不安定だったりします。その一方で彼らは非常に精力的に創作活動を行い、創造的な仕事をしています。これらの代表的な人物として、本書では尾崎豊、太宰治、三島由紀夫を取り上げています。
僕の入ってる自助サークルの関係で取り急ぎ読んでおく必要があったんだけど、本の詳細は後日詳しく書きます。 
DVD ビデオメーカー 2002/05/24 ¥4,980
カチカチに固めたとんがりリーゼントに、同じように爪先のとがった靴をはき、旧ソ連の軍服でR&Rを唄いまくる怪しの集団、レニングラード・カウボーイズを主役に、ロシアを思わせるツンドラ地帯の故郷を後にした民俗音楽バンドが、ひと山あてようと企むマネージャー(M・ペロンパー)にそそのかされ、アメリカへ渡り、クラブ回りをするが初めはまるでウケない。だが、そのうち本場のロックの洗礼を受け、ユニークなR&Rバンドに変貌。結婚式でのダンス伴奏の依頼を受けて行ったメキシコで、その音楽性との完全な調和を見出す。恐ろしい搾取魔のマネージャーがケッ作(稼ぎは彼がみんなビールに変えて飲んでしまう)。エンディングは何やらしんみりとする、カウリスマキの名を一躍世界に広めたおとぼけロード・ムービー。
クケケケケ、最高です。カウリスマキの世界って、どこかほのかなおかしさがあるんだけど、そのおかしさを前面に強調した作品ですね。爆笑しちゃいまた。純粋なコメディーじゃないんですね。カウリスマキにしか出来ないような、まさにカウリスマキ的コメディーなのね。コメディーと呼ぶべきかどうかも迷っちゃいますよ。なんてんですかね、このおかしさって、登場人物やシチュエーションの、異質感なんですね。ここにこれはないだろー、やられた。ッていうような。周りの状況にそぐわないものを中にひとつ設定することによって生まれる異質感。「過去のない男」での電車の日本車両みたいなさ。ウケケケケ。
DVD ハピネット・ピクチャーズ 2000/04/25 ¥4,800
巨匠イングマール・ベルイマンが、キリスト教的信仰心を忠実かつ繊細に描いた問題作。キリスト教を深く信仰する娘が、その優しさが仇となり殺されてしまう。
あああー、うあうあえおいうじぇばぼん(涙)。素晴らしいすばーらしーすばらーし!
ちょっと大げさでした。すまぬ。
最近観る作品観る作品、傑作だって言ってるような気がするけど決して「傑作」という言葉を軽んじているわけではないのよ。許してね。今回は違う言葉を使うよ。名作です(笑)。
この作品には溝口健二の作品と同様の、時代を隔てても変わることのない普遍的な人間のカルマが描かれているでございますよ。ぐじゅぐじゅ。
ベルイマンさん、やっぱりあなたは巨匠でした。
でもちょっと宗教色強いから、その分だけ溝口のほうに軍配があげるかな。僕的には。
DVD 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2000/05/26 ¥3,980
第一次大戦下のフランスの701歩兵連隊へ、48時間以内に敵ドイツ軍の要塞を攻略せよ、との無謀な命令が下る。自殺行為だと必死に抵抗する連隊長の訴えもむなしく、作戦は決行され失敗に終わる。しかし指揮官である将軍は、敗因は隊の命令違反にあるとし、軍法会議で3人の兵士を処刑してしまう。
鬼才スタンリー・キューブリック監督が描く、異色の反戦ドラマだ。戦闘シーンに斬新な視覚アイデアを投入するなど、これまでの戦争映画とひと味違った展開に、キューブリック独特の個性が光る。冒頭の塹壕内での兵士の動きをとらえた長い移動ショットは、今では語り草になっている。
正義感あふれる主役の連隊長を、名優カーク・ダグラスが熱演している。
理想主義者というのは少数だから理想主義者なのであって理想が絶対多数となればそれはリアルとなる。ゆえに理想主義は空論ではないと信じている。しかしそれは現実を認識した上での理想でなければならないだろう、リアルに依らない理想とは怠惰な理想論であり、その先にリアリズムはない。
理想を現実にする。それにはまず現実を否定せず、しかし現実に甘んじないことである。
現実を甘受するのがリアリストなら、理想主義は未来のリアリズムといえないか。そしてその場合の現実とは、甘受ではなく、喜んで受け入れられるものであるはずだ。
訳わからんね、ごめんなさいm(,,)m。
個人としていくら理想を貫いたところで、戦争というのは極めて現実的だから、無力だね。
これでキューブリックの作品全部観たんじゃけど、最後に一番の出来のものを観れて良かったよ。傑作。  
DVD 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2003/10/24 ¥1,780
1993年、ネブラスカ州フォールズシティを訪れた青年ブランドン(ヒラリー・スワンク)は、その地に住む女性ラナ(クロエ・セヴィニー)と恋に落ちる。しかし、やがてブランドンが性同一障害をもつ女性であることが発覚し、ラナの母親の恋人は怒りのあまり弟分とともにブランドンに襲いかかってしまう…。
男として生きようとしたがために悲劇を生んでしまった実在の女性をモデルにしたヒューマン・ドラマの秀作。まさに男と見まがうばかりの熱演を示し、観る者に強烈な印象を与えてくれるH・スワンクは、本作で見事アカデミー賞主演女優賞を受賞。
また、男女の別を越えて、あくまでも人間に恋をしたのだとして、ブランドンとの愛を貫こうとするラナのピュアな存在感も気高く美しいものがある。
性同一性障害を扱った実に時世にそった作品。実話だってのが痛すぎるね。痛い痛い、心が痛い。
「スイートシクスティーン」といい、最近こういった作風のものが多くなって来たような気がする。ドキュメンタリータッチなね。
同性愛や性同一性障害に対する理解ってまだ実際こんなもんなんだろうなあ。
テキサス州知事だったブッシュ大統領に是非とも意見を伺ってみたい内容でしたね。
題名が秀逸。  
DVD ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2003/10/22 ¥3,800
1967年、精神不安から自殺を図った17歳のスザンナは精神病院に入院し、さまざまな心の病に苦しみながらも健気に生き抜こうとしている同世代の女性たちと知り合い、交流を続けていくうちに、やがて少しずつ自立心を取り戻していく…。
精神病院で2年の歳月を過ごしたスザンナ・ケイセンの回想録にほれ込んだウィノナ・ライダーが、自らの製作総指揮・主演で映画化。少女たちの不安定な精神状態を、決して病的にではなく、あくまでも思春期の心の哀しい揺れから生じた等身大のものととらえた青春映画の秀作である。病院の脱走常習者リサを熱演したアンジェリーナ・ジョリーは、本作でアカデミー賞とゴールデングローブ賞の助演女優賞を受賞している。
”絵に描いた果物を食おうとする奴らなんかにまともなやつはいない”と言った男の言葉が健常者の意識を代弁しているのなら、僕は障害者のままでかまわない。区別はあっていーが差別はあってはならない。区別もいけないなんていってる人もいるけど、僕は区別があるのはしごく当然だと思ってます。あっ、それから僕はひとりの言葉が全体を反映するなんて毛頭思ってませんから。はい。上記はあくまで仮定の話ですよ
DVD 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2003/04/11 ¥1,990
イギリス北部の町シェフィールド。6か月も失業していた絶望的な金欠男6人が、なんと「裸で金を稼ぐ」ことを思いつく。「フル・モンティ(すっぽんぽん)」で明るい未来をつかむことは、果たして可能か…?
息子から「少しは父親らしくしたら?」と諭されるパツイチ・パパ。ベッドでアレができなくなったと落ち込んでいる太りすぎ男。妻に失業したと言えない上司などなど、さえない素人集団が女たちの気を引こうとする。失業という暗い話題を逆手にとって、思いっきり笑うことで活力を生みだす不思議なコメディー。『トレイン・スポッティング』のロバート・カーライル、『司祭』のトム・ウィルキンソンら、イギリス映画・演劇界の俳優たちが、個性豊かなキャラクターを生き生きと演じている。監督は新鋭ピーター・カッタネオ。
イギリス映画には独特のセンスがある。こういった題材をさわやかに描いた手腕は見事だね。品のない話なのに、作品全体に品があり、リズミカルで映画の楽しさを味あわせてくれる。フルモンティヽ(^−^)ノ 万歳! 
ISBN:4003360117 文庫 久保 勉 岩波書店 ¥400
自己の所信を力強く表明する法廷のソクラテスを描いた「ソクラテスの弁明」、不正な死刑の宣告を受けた後、国法を守って平静に死を迎えようとするソクラテスと、脱獄を勧める老友クリトンとの対話よりなる「クリトン」。ともにプラトン(前427‐347年)初期の作であるが、芸術的にも完璧に近い筆致をもって師ソクラテスの偉大な姿を我々に伝えている。
人間は、大昔から、考えていることなんて対して変わっていないのね。昔の人間を誉むべきか、今の人間を嘆くべきか。知行合一をなし得るものは、皆ソクラテスになり得るのじゃ。よって真の哲人たらんとすれば毒杯を飲むことになっても恥辱は蒙るなかれ。ああっ、善悪道徳強迫の鏡たるソクラテスよ。こんなん読むと、また僕はモラルは強化され、自分を締め付けることになるんだよ。だがしかし、やめられん。カウンセラーよ、ソクラテスを論破することができるかえ?できなければ、僕を治すことは難しいぞよ。 
DVD 紀伊國屋書店 2003/02/22 ¥4,800
第ニ次世界大戦下のスウェーデン、15歳の少年スティーグ(ユーハン・ヴィーデルベリ)は新たに赴任してきた女性教師ヴィオーラ(マーリカ・ラーゲルクランツ)に恋をし、やがてふたりは愛し合うようになっていく。しかし、補修と言う名目で彼女の家に出入りするようになったスティーグは、彼女の夫フランクとも友情の絆を感じるようになっていく……。
『みじかくも美しく燃え』などで知られるスウェーデン映画界の名匠ボー・ヴィーデルベリ監督が、実子のユーハンを主演に描く思春期映画。年上の女性との恋愛を通して成長していく主人公の心理が繊細に描かれている。アカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされた秀作。
あこがれが、エロチックに燃えておりました。エロイ、エロイ、特にシチュエーションが。  
DVD パイオニアLDC 2000/11/24 ¥4,700
東京国際映画祭グランプリと監督賞のW受賞を果たした感動作。紛争が続くボスニアで、懸命に生きる子供たちの姿を描く。単館系ながら15週のロングラン公開を記録。
ぐは、げぼげぼ、子供の死ほど悲惨なものはない。静かな怒りが子供に人を殺させた。 
ISBN:4344003586 単行本 岩崎 峰子 幻冬舎 ¥1,500
日本の伝統文化のひとつ、花柳界。中でも特に歴史が古く、規模も大きく格式も高い「京都・祇園甲部」の元ナンバーワン芸妓が、お座敷に集った「一流人」を語る。トップに立つ人特有の共通点とは?
僕は京都がだーいすき♪。いつかは京都を終の棲家としたいなあなんて思うとるんやね。だから当然、舞妓さんや芸妓さんのことももっと知りたいなってんで読みました。なるほど、花柳界ってほんとはこんな意味だったんだね。京都ん中でも祇園って1,2を争うぐらい好きなとこなんやよね。ところで昔、アーサー・ゴールデンの『さゆり』って小説読んだんやけどそのモデルがこの岩崎さんなんだそうな。この『さゆり』、アメリカではたしか『メモリー・オブ・ア・ゲイシャ』って題で400万部突破のベストセラーになりました。けっこ面白かったです。スピルバーグが映画化するとかで黒澤明に相談してたそうなんだけど、黒澤も死んじゃったからもう映画化はないんじゃないかな。いくらスピルバーグでもちゃんとアドバイスできる人がいないと変な日本になっちゃいそうだからね。日本人でもよく知らない花柳界の世界を描こうなんてなおさらだよね。でもやっぱり祇園はいいですね。はい。 
DVD ハピネット・ピクチャーズ 2000/08/25 ¥4,800
巨匠I・ベルイマンが、人間の持つ激しいエゴイズムを赤裸々に描いた野心作。助教授バッテルとその妻ルートは、結婚間もないもののすっかり倦怠ムードで…。
ベルイマンの映画は、徹夜で観るとか観ないとかうんぬんではなく、いつ観てもただ純粋に難しいってことがわかりました・・・。
「ファニーとアレクサンデル」は別に難しくなかったけどね。
今回の作品は、ちょっとストーリーを把握するのに困難したかな。構成にまとまりがないような印象を受けました。でも、まあ人間のやるせなさや、孤独なんてものを描きつつも、希望を残しているあたりはこの前観た「鏡の中にある如く」よりは救いがあると思いますた。 
DVD 松竹 2003/05/24 ¥4,700
時は幕末、庄内地方の小さな藩の下級武士・井口清兵衛(真田広之)は、ふたりの幼い子どもと老母の世話をするため、勤めが終わるとすぐに帰宅することから「たそがれ清兵衛」と同胞たちからあだ名される冴えない男。しかし、幼なじみ朋江(宮沢りえ)の危機を救ったことから、実は剣の腕が立つことが世間に知れてしまい、ついには藩命で上意討ちの討ち手に選ばれてしまう…。
時代小説の大家・藤沢周平の短編『たそがれ清兵衛』と『竹光始末』『祝い人助八』をベースに、これが時代劇初演出となる巨匠・山田洋次が監督。当時の時代考証を綿密に行いつつ、ささやかな家族愛や忍ぶ恋心、そしてダイナミックな殺陣シーンなどを見事に具現化している。人間本来の美しい心のありようを、決して押し付けがましくではなく、優しくささやかに問いかけてくれる、日本映画でしかなしえない必見の秀作。真田の素朴さと宮沢の清楚な美、両者の好演も特筆ものである。
しみじみと、日本。清廉な魂がそこに息づいていて、邦画ならでわの傑作にしあがっている。今も昔も、サラリーマン。ただ違うのは、昔の公務には、命を賭すことも含まれていた。現代は、その心配はないのに、人は精神の疲弊により、自ら命を絶ったりする。
生活が慎ましいからこそ、躑躅が咲くのに気づく。貧しくも、人の心は富んでいる。望まぬことこそ幸せ。過度の欲を捨て去った時に、始めて、自分の心はすでに満たされていることに気づく。なんによって?現在の暮らしによって。今現在の僕たちの生活の中にだって、よく目を凝らせば、いっぱい幸せの種は落ちてるんだよなあ。
ディテールのこだわりに、役者の的確な演技。大作ではないが、そこには普遍性がある。世界の人にも観てもらいたい。ぜひとも、アカデミー外国語賞をとってほしいなあ。 
DVD バンダイビジュアル 2001/12/07 ¥3,800
手塚治虫、初期のSF漫画を映画化したアニメ『メトロポリス』。製作期間5年、最先端の技術を駆使し、総作画枚数15万枚を投入した本作がみせるのは、壮大なスケールで描かれた未来都市の姿である。
どのシーンを切り取っても画になるハイクオリティな作画はもちろんだが、手塚が原作で1ページを使って描いたモブ(群集)シーンを再現した映像はとにかく圧巻。緻密に描かれたリアルな背景とレトロな雰囲気を残した手塚キャラたちが融合することによって、温かみをもった世界が展開される。

物語は、文明の絶頂に達し感情をもつロボットを生み出すまでになった人類と、その先にある悲しみという原作のテーマを踏襲しつつ、オリジナルのストーリーを再構築する形で作られている。脚本を担当したのは『AKIRA』の大友克洋。監督は『鉄腕アトム』の演出もした、りんたろう。豪華スタッフの共演で実現した文字どおり超大作アニメである。
かのフリッツ・ラングの『メトロポリス』を下書きに、手塚治虫が描いた漫画を、大友がさらに脚色しなおしたものか、はたまた、フリッツ・ラングの物はまったく関与せずに、手塚独自の作品として出発したものなのか僕は知らないけど、
ラングの作品を手塚が見ていないなんてことは考えられないから、やっぱり、根底は、ラングなんだと思う。しかし、ここまで変わってしまってはもう完全なオリジナルといってしまってかまわないだろう。てか、まだ、手塚の漫画を読んだわけではないので、今度買って読んでみたくなった。おそらく、手塚の作品とも随分違う風なのではないかと思う。観たところ、かなりな部分に大友色が強かったように観うけられた。
とくに最後の部分なんて、まるで、『アキラ』を見てるよう。
ところで、ジェームスキャメロン大絶賛だそうな。でも、キャメロンは最近出る日本製のアニメはたいてい大絶賛してるような気が。。。 

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