DVD 松竹 2002/10/25 ¥3,990
浅草の活動小屋で売り子をしていた小春(有森)は、松竹キネマの監督(すま)に見いだされ、松竹蒲田撮影所の大部屋女優になる。演技がうまくいかず、一度は女優になることをあきらめた小春は、助監督(中井)の説得で再び女優への道を進む決心をする。松竹が大船に撮影所を移転する直前の蒲田撮影所を舞台に、映画作りに賭ける人々の姿を描く。松竹大船撮影所50周年記念。
この歌好きなのだあね。この映画、いかにも山田洋次らしい映画だなあと、男はつらいよよくみてもいないくせに思ってくれる。越し方を振り返るこういったノスタルジーものは大好きだったりして、、当然僕はこの時代には生まれてもいないわけで、ノスタルジーっていっていいのかわかんないけど、どうやら僕はこの時代に凄く憧れを持っていることだけは、この感情の高鳴りからもせっせらるる。
DVD バンダイビジュアル 2001/03/25 ¥6,300
「機動戦士ガンダム」のオリジナル・スタッフが再結集した劇場版アニメ第5作。地球連邦政府に半期を翻したクロスボーン・バンガードによって、両軍に分かれて闘うことになってしまった少年シーブックと少女セシリー、2人を中心に人間ドラマとロボットアクションが目まぐるしく展開していく。

初代、Z、ZZと見てきた僕が始めて戸惑った絵柄。絵柄が変わってしまうと受け入れるのに時間がかかる。でも話そのものは面白くて、何より主題化がいいんだよな〜。
もともとテレビ放映を前提に企画されたから、テレビアニメでやっても絶対面白かったんだろうけど。
DVD バンダイビジュアル 2002/01/01 ¥6,300
OVAシリーズ「機動戦士ガンダム スターダストメモリー」をベースに、新作映像も加えて再構成した劇場版。ガンダム試作機を操縦することとなるコウ・ウラキ少尉、ガンダムのシステムエンジニアであるヒロイン、ニナ・パープルトン、試作ガンダムを奪取するジオン残党のアナベル・ガトー少佐を軸とし、ファーストガンダムと続編「機動戦士Zガンダム」の時代を舞台に物語が展開する。
ジオン復興を掲げるデラーズ・フリートが地球連邦に宣戦布告した。彼らの星屑作戦を阻止するため、連邦軍が立ちはだかり、再び戦争が始まる。「Z」のメインとなる組織、エゥーゴ、ティターンズ設立への各人の思惑も絡み、物語は複雑になっていく。時代的に一年戦争後だが、ファンサービス的展開を楽しむためには「Z」の後に鑑賞することをおすすめする。
OVAのダイジェストだね。
それにしても改めてガンダムって歴史が練りこまれて作られてるよなあ。事後的に肉付けされたとしても今やその複雑さは、日本版スタートレック?
一連のガンダムシリーズを見ていると、それが虚構の世界であると思えなくなってくる。って大げさかな^^;
ガンダムの世界って情が薄く感じるよね。戦場で寝返りって結構頻繁に行われるから。まあ、それが戦争のシビアさなのかな。でもそれが結構恋情に基づいてるのは、はて?って思えたりもするけど^^;
DVD バンダイビジュアル 2001/03/25 ¥6,300
大人気SFアニメ・シリーズ‘ガンダム’の劇場版。ガンダムを操縦する戦闘員アムロが、彼の宿命のライバルであるシャアの人類抹殺計画を阻止すべく戦う姿を描く。
僕にとってのガンダムとはアムロとシャアから続く一連の物語なのであって、歴史が途切れてからはあんまり観てない。歴史が途切れ立ってのは、つまり、アムロとシャアの関係が終焉したってことで、ていうか、ガンダムにはいくつかのパラレルな歴史があるけれど、その中の本家本元の歴史が僕にとってのガンダムで、だったら、Vガンダムまで見てるはずなんだけど、僕はF91で終っちゃった。絵柄が変わっていっちゃったから、あんまし見る気がなくなっちゃたんだよね。
でも、今度Zガンダム映画化されるんだよね。観てみようかな。
DVD バンダイビジュアル 2004/01/23 ¥6,090
1988年から始まったオリジナルビデオ版、劇場版、TV版、2度目のオリジナルビデオ版と続いてきた近未来ロボットアクションアニメの1993年公開の劇場版第2作。横浜ベイブリッジに投下された1発のミサイルと情報操作により架空の戦時下におかれた東京。何者によってこの状況は作り出されたのか、その目的は何か。事態を収拾するため、すでに別々の部署に配属されていた特車2課第2小隊の面々が再び集結する。
近未来・2002年の「2・26事件」を描き、現在の日本の平和を鋭く問う。「機動警察パトレイバー」シリーズの一編という枠に留まらない内容を持つ、映画史上に残るであろう傑作。DVD化にあたって5.1chにリニューアルされたサウンドも同時収録し、あらゆる面で完璧版となっているといってもいいだろう。
高校時代に見たときは難しくてわけがわからなかったから、何回も観てようやく理解した。
作られた平和の幻想、みんなが安全と思って疑わない都市が一瞬にして戦争状態、崩壊の危機にいたるほどに脆いものであるということを描いている。押井の先見性である。この映画で示されたことが単なる絵空事ではなく、9・11のテロによって現実となる。
前作よりもさらに写実的になり、娯楽性は剥ぎ取られている。ロボットものなのに、ほとんどロボットが出てこない。
しかし一つの映画として、その完成度・芸術性はきわめて高いといえる。
押井の最高傑作だと僕は思っている。あの独白がなんとも好きなんだよなあ。
DVD バンダイビジュアル 2000/06/25 ¥10,290
オリジナルビデオ作品として始まったシリーズから続く1989年公開の劇場版。近未来、汎用人型機械・レイバーが一般に使用されるようになったが、レイバーを利用した犯罪も相次ぎ、これを防ぐため警察もレイバーを導入。このパトレイバー小隊の活躍を描くのが本シリーズの基本設定。
本作はコンピュータウイルスによるレイバーの暴走から事件は始まるものの、やがては「東京」という都市そのものに言及していくことになり、単なるロボットものの範囲を大きく逸脱。シリーズものではあるものの、その一編というよりまさしく押井守監督の作品といった方がふさわしく、その独自の演出が存分に堪能できる。また公開時の音声はもちろん、DVD化にあたって新たにリニューアルされたサウンドも同時収録。
押井の思想性と娯楽性がうまい具合に融合した傑作。踊る大走査線もこの映画から多大な影響を受けている。まだ本作は、原作ファンへの配慮が見られるから、総じて評判がよい(笑)
都会の幻想、置き去りにされる廃墟、鳥など、押井の映画に欠かせないイメージが散りばめられている。この作品の成功以後、押井は再び自分の色を強く出していき、娯楽性は剥ぎ取られていく。「天使の卵」へと回帰していく。
DVD バンダイビジュアル 1999/06/25 ¥5,250
カンヌ映画祭で好評を博した北野映画第6作。シンジとマサルの2人は高校時代の友人。ヤクザに憧れるマサルはケンカに強くなろうとシンジを誘ってボクシングジムに入る。しかし、認められたのはシンジであり、けんか気分の抜けないマサルはジムを飛び出して、ヤクザの世界へと足を踏み入れる。
それぞれの世界で、彼らは大人の醜さと彼ら自身の未熟さを思い知ることになる。一方で、高校時代彼らにバカにされながら、漫才をやっていた同級生は着実に認められていく。シンジとマサルが自転車で校庭をグルグル回るシーンは、青年期の無意味さと切なさがあふれる秀逸なシーンである。また、安藤政信と金子 賢2人の新人俳優をこの世に送り出した傑作でもある。
この作品以後の武はあんまり好きじゃないけど、本作に関しては、武作品の中でも僕の中では結構上位に来る作品。
武いわく、あの自殺未遂みたいな事故の後ベクトルを死から生に転換した最初の作品。
見てみると、あ、確かにそうだなあって思う。ソナチネとか、今までの作品のラストとは違って、この作品のラストは、凄く前向きだ。僕はどっちのラストも好きだけど、この作品は見終わった後の清清しさがある。まだまだ前途洋洋な若者を描いていて、お互いに挫折を味わって、成長していく過程が、この程度で屈しない若者の逞しさが、ラストの言葉に集約されてる。良い終わり方だなあ。
お互いの微妙な心理描写が素晴らしいんだと思う。師弟関係みたいな信頼関係が崩れても、お互いの違う方向を見出して、そこから新たな信頼が生まれていく。二人とも一つ大人になった。
DVD 東映 2002/07/21 ¥4,725
1946年、青函連絡船が嵐で沈没し、乗客の遺体が収容される。しかし、その数が名簿よりも多い。ベテラン刑事の弓坂(伴淳三郎)は、転覆のどさくさで起きた殺人事件と睨み、執念の捜査を続けていく。そして10年後、犯人(三國連太郎)は事件当時の彼を知る遊女(左幸子)と偶然再会してしまった…。
水上勉の同名小説を原作に、巨匠・内田吐夢監督が人間の内に潜む心の闇をスリラー仕立てで見事に描ききった、堂々3時間におよぶ傑作超大作で、そこには自身の人生観も多分に反映されている。
また、16ミリで撮影したモノクロ・フィルムを35ミリにブローアップするなどの特殊な技術処理をも駆使して、戦後・日本の心の飢餓状態を浮き彫りにしていくという壮大な実験作でもあり、一方では日本映画史上のベスト・テンを選ぶ際、黒澤、溝口、小津、成瀬作品などと並び、必ずベスト・テン入りする名作中の名作でもあるのだ。
過去の罪が桎梏となり男を苦しめ、その恐れから新たな罪を犯してしまう。たとえ、罪がばれなくても自分は自分の犯した罪を知っている。神や仏が自分の心の中にいるのなら、その罪から逃れることは不可能だ。いくら成功をつかもうともその者は生きながら地獄をさまよい、心休まらないだろう。
まあ、つまり、三國連太郎が良すぎる。ラストがいかにも日本的。自分なりのけじめだったんだろうかなあ。
VHS 東宝 1989/12/27 ¥15,225
2039年、世界支配を企む巨大コンピュータにに立ち向かう、青年と重装甲機動ロボット“ガンヘッド”の活躍。SFアクション。特撮監督は川北紘一。
キャラクター重視でない本格的なロボットものを作ろうとした日本では珍しい野心作といえば聞きはいいかもしれないけど、ロボットは戦車といったほうがよく、お世辞にもかっこいいとはいえないなあ。でも本格的な特撮を取ろうとした意気込みは感じられ、この時代にして、大変よくできましたと、努力に乾杯。
DVD 東映 2004/05/21 ¥4,725
戦時下の岡山県で「開業医は足だ」をモットーに診療を続ける赤城風雨(柄本明)は、どんな病気も肝臓炎と診断してしまう「カンゾー先生」と呼ばれる医者。「このままでは日本中に肝臓炎が蔓延し、国が壊滅してしまう」との危機感を抱いた彼は、診療の傍ら肝臓炎ウィルスの研究に精を出す。そんな折り看護婦として雇われているソノ子(麻生久美子)が、負傷した脱走兵・ピート(ジャック・ガンブラン)を診療所に匿ってしまう。
今村昌平監督の作品は人間の生き様を鋭く洞察するその視点から、やもすれば陰湿な作風になりがちだが、本作に関しては、からっとした爽快な作品に仕上がっており、戦時中という時代を生き抜いた人々の滑稽さと大らかさを巧みに描いている。イマヘイ監督、撮影当時72歳という年齢が信じられないほどの軽快な演出に加えて、「日本人全員の頭が肝臓炎になってしまう」といった鋭い社会批判まで盛り込む絶妙なバランスは、前作「うなぎ」から脚本に参加している、子息の天願大介の手腕も生かされていると見た。
あれれ、カンゾー先生死なないのね。まあ、いいけど。原作も面白いから読んでね。
開業医たるもの、常に患者のためにあるのであって自己の栄誉心などというものを抱いてはならんという信念を抱くのは立派ながら、もう少しで病気の解明ができたかもしれんところで、辞めちゃったのは、結果的には多くを見殺しにする行為にもなりかねんけど、この問題に答えはないね。ようは本人の信念如何であって、どっちが間違ってるとか、あってるとかないのだと思う。
DVD 徳間ジャパンコミュニケーションズ 2001/07/25 ¥4,935
当時、世界的に高名となっていた三島由紀夫が主演し、やくざの跡取ながらどこか弱さや優しさを持った男を演じている。やくざ同士の命のやりとりに身を晒して生きる武夫は、ある日けなげに生きる若尾文子と出会い彼女の愛を一身に受けるようになる。
ぎゃああ、三島由紀夫だあ!ってそれのみで借りずにはいられない。だって、ナルシスティックなんだもん。ボディビルで鍛えた筋肉。でも上半身ばっか鍛えてて、下半身とのバランス悪いぞよ。三島好きなら見て損は無いと思われ。文豪の面影はこの作品を見る限り微塵も感じさせない。結構凄いかも。
DVD 松竹 2002/04/21 ¥3,990
つかこうへいの同名戯曲を、時の角川映画総帥・角川春樹がプロデュース、『バトル・ロワイアル』の深作欣二が監督した痛快アクション人情悲喜劇の快作。
東映京都撮影所の大部屋役者・ヤス(平田満)はスターの銀ちゃん(風間杜夫)から妊娠した恋人・小夏(松坂慶子)の面倒を見る羽目になってしまう。やがて彼女と結ばれ、彼女と生まれてくる赤ん坊のために危険な仕事を次々とこなし続けるヤスだったが…。
脇役に熱い愛情を注ぎ続ける深作映画の特色と巧みに呼応した作品。クライマックスの新選組池田屋階段落ちのシーンは涙なしでは観られないとして話題が話題を呼び、日ごろ日本映画を見ようとしない若者層まで多数集客して大ヒットを記録。その年の映画賞も独占した。
ずばり、古さがない!今の映画として公開しても違和感ないともいえるほど(実際はあるだろけども)の、テンション、パワー。充分に若い世代をひきつける魅力を兼ね備えてると思う。こういった映画がわんさかでれば、邦画も息を吹き返し、映画ブームの再到来なんてことにもなるかもしれないね〜って、こんな映画がそんなにひょいひょいつくれたら、邦画は傑作だらけになっちゃうね。僕この主題歌好きなんだなあ。演技とはいえあの階段落ちは凄いよね。
最高の娯楽作だよね。正月に見るとよかったかもね。
DVD ジェネオン エンタテインメント 2001/08/24 ¥4,935
高校受験を控えた息子のために雇われた風変わりな家庭教師の出現によって、家族のありようが次第に変化していくさまを描いた、森田芳光監督のホーム・コメディ。キネマ旬報ベスト1など、その年の映画賞を総なめした名作であり、以後森田監督は「流行監督宣言」をし、時代のちょう児としてその後も意欲作を発表していくことにもなった。
横一列に家族が並んで食事する風景に代表されるように、きずながあるようでどこか薄い現代家族のとらえ方がユニークかつ秀逸。いじめ問題もさりげなく含まれ、またそれらのなかでメフィストのように家族を混乱させていく松田優作の名演など、見どころは実に多数。音楽を一切排除した手法も潔く、そのことによりラストのヘリコプターの音など現実音が、一段と印象強く観る者にせまってくることにもなった。
森田監督と松田勇作のゴールデンコンビ、だった。なぜ、だった、なのかというと、松田勇作の死と、森田監督の本作と「の・ようなもの」で見せた抜きん出た個性がその後だんだん軟着陸していっちゃったから、ちょっと残念。
この映画ができたあたりから、核家族という問題も本格的なものになってきたのかな。家族というゲームを演じている家族は、松田勇作演じる家庭教師という他者の介入により、その演技は亀裂を生じて、最期には、崩壊する。
タイムリーな問題をそこかしこに散りばめつつも、それを露骨には感じさせず、ブラックユーモアたっぷりのコメディに仕上げている点で、その斬新な見せ方、森田監督の個性というものは、やはりその年の映画賞を総なめにするほどの、まあいわば日本映画界のひとつの事件だったんだろうなあと思う。
森田さんの初期の作品は、いわいる、シュールレアリズム。ありそうで、実は異質な世界。異質な世界を描いているのに、なんだか身近な日常性を感じさせるところが凄かった。かった、なんだけどね。
DVD ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント 2003/11/19 ¥4,935
腐海(ふかい)と呼ばれる毒の森とそこに棲む蟲(むし)たちに支配された世界。辺境の王国・風の谷には、自然を愛で、蟲とすら心を通わせる少女ナウシカがいた。腐海を焼き蟲を滅ぼそうとする大国の争いに巻き込まれながらもナウシカは、人を愛するのと同様に蟲たちをも愛そうとする…。

アニメ誌に連載していた自らの漫画を原作に、宮崎駿が監督を務めた劇場用長編アニメ。母の優しさと獣の荒々しさを兼ね備えたヒロイン、おぞましくもどこかしら哀しさを感じさせる蟲という存在、あるときは風に乗りあるときは雲を割いて空を駆ける飛行機械など、それまでの宮崎作品の集大成にしてその後の原点と呼べるような1本だ。音楽を久石譲が手がけて「宮崎×久石」の黄金コンビが生まれるきっかけともなったが、そのテーマ曲も美しいことこの上ない。

巨大な王蟲(オーム)の群れが暴走するクライマックス、そしてナウシカの純粋な魂が胸を締めつけるラストシーンは圧巻。日本のアニメ史上にさん然たる金字塔をうちたてた作品である。
宮崎駿の作品で、最高傑作は、僕にとっては、この作品とトトロが双璧であり、そしてこの二つはまったく異質な作品にして比べられないので、二つとも宮崎監督の最高傑作と思ってます。
キネ旬で初めて、アニメとして、年間トップ10に入った記念的作品で、それはアニメ映画の地位向上にものすごい功績だったんだと思うなあ。
宮崎監督は、ラストに宗教性を持ってこさざるを得なくなったがゆえに、この映画を気にいってないみたいだけど、観客としては、あのラストがあったこそ、得もいえぬカタルシスを体験でき、またこの映画を不動の名作にまで押し上げたんだと思う。
作者の意図と、観客の反応が一致するのが、一番望ましいのかもしれないけど、そんなにうまくいくもんじゃないよね。
監督は、晩年の黒澤のようにはなりたくないといってるけど、最近の作品はもう充分に晩年の黒沢的だよね。年を取ると、教条的になるのかしらん?本人もそれを自覚してるから、早く引退したいけど、後に続くジブリの後継者もいないし、ジブリ存続の為にももう辞めるに辞められないんだろうなあ。
DVD 東宝 2003/01/31 ¥6,300
時は戦国時代、甲斐の名将・武田信玄(仲代達矢)は敵の雑兵の弾に当たり死去。配下の者たちは「我が死を3年隠せ」という主君の遺言に従い、彼そっくりのコソ泥(仲代達矢・2役)を信玄の替え玉に据えて難を逃れようとするが…。
黒澤明監督が久々にメガホンを撮った時代劇で、製作にはフランシス・コッポラやジョージ・ルーカスも参加し、またカンヌ国際映画祭でグランプリを受賞するなど国際的貫禄を誇る作品。黒澤監督独特の色彩センスがもっとも幻惑的に映えた作品ともいえる。しかし、当初主演に予定していた勝新太郎をクビにしたり、また黒澤映画長年の名パートナーでもあった作曲家・佐藤勝が、芸術的見解の相違から音楽を降板するなど、製作上のトラブルの絶えない問題作でもあった。
そりゃね、勝新は日本を代表する名俳優でございましたよ。でもね、だからといって代役で演じた仲代が、勝新より格が落ちるのかといえば決して、決して!そんなことはないわけでありましてね。
仲代はもっともっと評価されていい俳優のはずなんですよ。僕はね、仲代を日本の俳優の中でももっとも素晴らしい役者だと思っているのでございあすよ。
仲代がどうして地味に思われるかといえば、それは仲代が、映画人というより演劇人だからじゃないかなあと、僕は思っているわけで、勝新のような華、というのは、確かに少しは劣るのかもしれん、しかしながら仲代には、磐石な基礎の上に築かれた確固としたオリジナリティがあって、まあそれは、勝新のような最初から輝きを華っていたってのではなくて、磨いて磨いて、ようやっとここまで輝くにいたったものであって、それはいわば、日本の伝統芸能の様式美に通じる美しさがあるわけなのですよ。仲代の、勝新や三船とは違った、真面目さ。それは、ある部分では、三船や勝新には、真似のできない精緻さがあってね、僕はそれは、やはり、映画的というよりも演劇的なのじゃないかと思うわけなのさ。
批判の多いこの作品、その多くは、戦闘シーンを見せずに、馬ののたくるシーンを見せたことによる批判がほとんど。だけれどね、昔は確かに黒澤のアクションにひとつの希少性があった。それは黒澤のようなアクションを取る人が少なかったから。でも影武者の作られた時代には、もう映画界にアクションなんてものはあふれてた。その中で、黒澤が戦闘シーンをふんだんに取り入れたところで、それは、どんなに黒澤の演出が抜きん出ていても、以前のインパクトをもって迎えられることはなかっただろうし、むしろ、それらの数多のアクションシーンと共に、芸術性さえも埋没させてしまう陳腐さが潜んでいることを黒澤は察知してたからこそ、黒澤は戦闘シーンを描くことを避けたのではないかと思う。今の時代はさらに、アクションシーンに個性を出すことが難しくなってきてるね。
ということで、この映画は素晴らしい映画であると共に、黒澤のとった選択(戦闘シーンを盛り込まない)も、間違ってはいなかったと僕は思います。
DVD PI,ASM/角川書店 2000/12/22 ¥4,935
『野性の証明』でデビューした薬師丸ひろ子。本作は、彼女の人気を決定づけた大ヒット青春映画である。
ひょんなことから組員4名の弱小やくざ、目高組の組長に据えられてしまった、女子高校生の星泉。どす黒い大人たちの思惑や陰謀をくぐりぬけながら、大人の階段を登っていく姿を描く。原作は赤川次郎。『翔んだカップル』に続いて薬師丸を演出した相米慎二監督は、持ち前の長回し撮影を駆使しながら、思春期特有の揺れや戸惑いを余すことなくとらえている。カリメロカットも愛らしい彼女が、機関銃を撃ち終えた際につぶやくセリフ「カ・イ・カ・ン…」は、当時流行語にもなった。また、そのとき彼女のほほを伝う赤いものは、撮影のハプニングによる傷がもたらした本物の血である。
さよならは別れの言葉じゃなくて〜♪
ん〜、快感(\\∇\\) 
僕、薬師丸ぴろこ大好きなんだよね〜。角川映画と薬師丸。今は亡き相米慎二監督。ん〜、快感(\\∇\\)
薬師丸ぴろこの歌う歌。まず声がアイドル声じゃない。そのギャップがいい。世代的には、僕より前なんだけどね^^;
それにしても、この頃の映画って、並べて台詞が、小説的だよね。
だけど、僕はそこがまた好きなんだな。
演技はへたくそだけど、その演技が逆に若さの象徴のような気がして。屈託のない笑い声なんかも、やくざの世界とのギャップが、これまたいい!
DVD 東宝 2003/03/21 ¥6,300
戦乱の世の中、隣国の山名家と戦い敗れた秋月家の侍大将・真壁六郎太(三船敏郎)は、世継ぎの雪姫(上原美佐)を擁して隠し砦にこもり、軍用金とともに同盟国・早川領への脱出を試みる。
黒澤明監督作品中でも、ハリウッドの時代大作を凌駕するスケールの大きさが誇らしいビッグ・エンタテインメント時代劇大作の優れもの。馬で逃走する敵を主人公が追いかけ、背中から真一文字にぶった斬るといったダイナミックな殺陣の数々は、その後のハリウッド映画アクションものでさまざまな形で流用されている。また、主人公らにまとわりつくふたりの農民(千秋実&藤原鎌足)も、後のアメリカ映画 『スター・ウォーズ』のロボット・コンビのモデルにもなった。いよいよ早川領への脱出シーンの際に、そこで主人公の味方となる旧敵(藤田進)が叫ぶ「裏切り御免!」は映画史上に残る名台詞。映像の1秒1コマに至るまで、ぴったり合わせた佐藤勝スペクタクル音楽の素晴らしさも特筆ものである。
姫様がなんだかなあ。こんな姫さまいるのかえ?
とはいえ、農民の二人のやり取りがスターウォーズのロボットコンビの元といわれてみれば、おお!なるほど、そのまんまやんけ。このコンビは面白い。
前半はやや冗長に感じもするが、後半の盛り上がりとスケールはさすが黒澤の面目が躍如としている。馬にまたがって疾走するスピード感はカメラワークによるところも大きいだろうね。友情、義侠心、みたいなところが超気持ちいい。
DVD 松竹 2001/09/21 ¥4,935
「あなたのシワが撮りたい」と大林宣彦監督からオファーされた吉永小百合が、離婚歴のある新聞社の論説委員に扮して、はつらつとした演技を見せた作品。
新聞社「新日報」に勤める南弓子(吉永小百合)は大学院生の娘・千枝(藤谷美紀)とふたり暮し。念願かなって家庭部から論説委員へ移動となった弓子は、早速社説の執筆に取りかかる。ところが その社説が思わぬ波紋を広げてしまう。降って湧いたように起こる弓子の人事異動の話、新社屋移転にまつわる不穏な噂の数々…。
スーパー16mmカメラを多用し、1時間56分の上映時間をおよそ1000カットで構成。多才な登場人物たちと吉永のやりとりをテンポ良く描写しているが、目まぐるしく落ち着かないように感じるのもまた事実。 記事を書くのは苦手だが、鋭い野生のカンで動く社会部出身の記者・浦野(三國連太郎)、弓子の恋人・豊崎(津川雅彦)の他膨大な数の著名俳優が出演しており、まさしく女ざかりの吉永小百合を盛り立てている。
僕ってサユリスト。津川さんと不倫してる。新聞社のドロドロの世界。なまめかしい。
VHS 大映 1994/05/13 ¥3,873
エカテリーナ2世の時代、カムチャッカに漂着した大黒屋光太夫一行を待ち受ける苦難と冒険。史実をもとにした井上靖の原作を映画化。
ロシアの寒さが身にしみる〜><!
日本とロシアの合作だっけ?大作ですな。あんまり話題に出ないけど、僕はこの映画実に好きで、3回くらい見てる。四肢肉を食うのがご法度な時代に、生きるために生で食らいつく緒方拳の執念のこもった演技が目に焼き付いてる。
1935年  成瀬巳喜男
浅草六区の盛り場を三味線片手に門付けとして歩く三人の娘たち(細川、堤、梅園)の恋のもつれ、悲哀を描いた下町人情ドラマ。川端康成「浅草の姉妹」の映画化で、成瀬初のトーキー作品。
お母さん、お母さんが厳しすぎるよう!この作品も、王道ですな。昔の映画は王道なのが多いから、心に響くのが多いな。そして、横道の作品も稀少だから、その分際立って両方とも引き立ってますな。

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