風信子

2009年11月14日 日常
冷凍室での作業によって収縮した皮膚に締め付けられた神経が無数の針で刺すような鋭利な痛みを蠕動させ、弛緩したけだるい疲労感を上書きする。
初老の同僚の口ずさむ歌はいつもジュリーか松山千春だが、好きな歌手はあややである。
物まねのなんとかは目ではないといいながら、プルサーマルの核再利用の仕組みがわからないとしきりに首を捻っていた。

僕は途方にくれながら家路につき、熱い湯につかって高揚した精神をなだめた。
飯に茄子が出てきたので秋を感じた。
食後の梨はみずみずしく甘かったが、りんごはすっぱい。

同僚の薦めるあややの「ヒヤシンス」を聞きながら2年前の飴の袋を破ると、ヨーグルトサワーであるのに砂漠化してひび割れた地球のようになっていた。

「ヒヤシンス」は作詞作曲が谷村新司だった。
世の中はどこかで繋がっている。
僕はすがすがしい気持ちになり飴を口に放りこんだ。
飴は、グミのように柔らかかった。

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