就職用に髪を黒くしなければならないので、散髪に行ってきた。
しかし髪を黒く染めるにも金がかかる。
自分で染めればいいのだが、以前やってみたところ、肌が荒れた。
アトピー気質の肌なので、自分で再び染めたくない。
悩んだのだが、ここは今まで一度も試したことのない坊主刈りにしてもらうことにした。
これならカット代だけで済む。
それに僕の髪は横に広がりやすくて、長くなるとただでさえでかい顔がさらにでかく映る。何事も試してみなければわからない。
友人の美容師に「坊主刈りにしてほしいんだけど」
と言うと「ええ~!」と素っ頓狂な声を出され、半笑い(苦笑い?)で絶対やめたほうがいいと全力で反対される。
僕自身もためらいはあるけど、今まで坊主にしたことがないし、自分でも坊主が似合うのか似合わないのか想像がつかない。
ただ、これから暖かくなるし、短い髪は涼しいのかもしれない。
僕の頭はでこぼこしているので、髪がなくなるといびつな形になってしまうのではないかという懸念があるけど失敗したならまた伸ばせばいいだけの話だし、とりあえず剃ってみることにした。
意外に良く似合うかもしれないではないか。
シャンプーをする間もアシスタントにしつこく「坊主にするんですか?」とか「今のままでいいと思いますよ~」だとか聞かれ続る。
髪の話一色である。
他にも坊主にする人はいるだろうに。。。
髪は最初ハサミである程度まで短くカットして、後はバリカンで剃っていく。
地肌にバリカンが当たって冷たい。
頭皮が見えてくるのは、経験がないので新鮮だ。
全容が見えてくると、とても自分だとは思えない。
誰だこれ?
意外におでこが広いことに気づいた。
見慣れないので当然だが、似合っているとはとてもいえない。。。
美容師の友人が「このくらいでいい?」と聞いてくる。
何だか、まだ中途半端に長い気がする。
五分刈りみたいな感じだ。
似合わなく思うのは、中途半端な長さなのかもしれないと思い、もっと短くしてもらうことにした。
そういえば、品川庄次の品川がやってるな。
アイスのガリガリ君のようだ。
松本一志が坊主にしたときも驚いたが、今は普通である。
きっと一週間もすれば僕の顔も普通になる。
さらに短くしてもらったわけだが、それでもやっぱり似合わない。
いっそのことスキンにしようかとも考えたが、さすがにそこまでの勇気は持ち得なかった。
懸念していたデコボコは、かろうじてある髪のおかげかいびつさは感じない。
やけに頭がスウスウする。
こんな感覚は初めてだ。頭が冷えすぎて夜眠れるだろうか。
チャリンコを扱いで帰る道すがら、通る人の視線が自分に注がれているような気がする。
自意識過剰だ、坊主はどこだっているのだし、僕がさっきまで髪ふさふさだったなんて知ってる人はいないんだから。
そう思うとなぜか自然と笑いが起こってきた。
この奇妙な非現実的な感覚。でもこれは現実なのだなぁと、僕の人生でかなりの勇気ある決断だったともう。
嫌な会社を辞めるときでももうちょっと気軽にできるんじゃないだろうか。
やってしまった後で後悔はしたくないが、やはり若干の後悔と共に、この決断をできた自分を褒めてやりたくもなった。
一旦マンションに帰って、O君と筋トレに行くことにした。
もちろん、坊主にしたことはまだ言わない。
試しにグラサンをかけてみたら、何だか恐ろしい。
どこかのヤクザみたいだ。これで眉毛でも剃れば確実に「あぶない」人だろう。
面白いのでこのグラサンを付けたままO君と会うことにした。
O君が車で迎えに来たので、自分はいたって普通の顔をしてマンションを出る。
O君は一瞬気づかないようなそぶりをしたが、すぐに僕だと気づき、驚きの顔をした後、失笑っぽい笑い声を出しながら「どうしたんですか!?」「何があったんですが??」と聞いてくるその表情があまりにも面白くて、普通の顔を作っていた僕もさすがに我慢できずに笑いが漏れる。
「いや別に、なんということもないけど。。。就職が近いけん」
と説明不足の返答にO君が笑う。自分も笑う。
車の中でグラサンはさすがにはずした。
こういうのは気心の知れた相手じゃないとやはり恥ずかしい。
体育館についてノーズリーブと短パンのいでたちになり、鏡を見ると、何か屈強に見える。
スキンだとボディビルダーのように見えるのかもしれない。
体育館に来ている人たちは、僕を知らないのだから、当然特別な反応はない。
笑うのはO君と僕のみである。
見た目が違うことが何かやる気を催したのか、いつもよりも激しく体を追い込んだ。
付き合ったO君は、明日筋肉痛が尋常でないことと思う。
これから会うであろう僕の知人達は、この坊主頭を見て、どういう反応をとるだろうか。
恥ずかしさと、一抹の不安と共に、わくわくとした不思議な期待が僕の体を駆け抜けている。
そんな4月1日であった。
しかし髪を黒く染めるにも金がかかる。
自分で染めればいいのだが、以前やってみたところ、肌が荒れた。
アトピー気質の肌なので、自分で再び染めたくない。
悩んだのだが、ここは今まで一度も試したことのない坊主刈りにしてもらうことにした。
これならカット代だけで済む。
それに僕の髪は横に広がりやすくて、長くなるとただでさえでかい顔がさらにでかく映る。何事も試してみなければわからない。
友人の美容師に「坊主刈りにしてほしいんだけど」
と言うと「ええ~!」と素っ頓狂な声を出され、半笑い(苦笑い?)で絶対やめたほうがいいと全力で反対される。
僕自身もためらいはあるけど、今まで坊主にしたことがないし、自分でも坊主が似合うのか似合わないのか想像がつかない。
ただ、これから暖かくなるし、短い髪は涼しいのかもしれない。
僕の頭はでこぼこしているので、髪がなくなるといびつな形になってしまうのではないかという懸念があるけど失敗したならまた伸ばせばいいだけの話だし、とりあえず剃ってみることにした。
意外に良く似合うかもしれないではないか。
シャンプーをする間もアシスタントにしつこく「坊主にするんですか?」とか「今のままでいいと思いますよ~」だとか聞かれ続る。
髪の話一色である。
他にも坊主にする人はいるだろうに。。。
髪は最初ハサミである程度まで短くカットして、後はバリカンで剃っていく。
地肌にバリカンが当たって冷たい。
頭皮が見えてくるのは、経験がないので新鮮だ。
全容が見えてくると、とても自分だとは思えない。
誰だこれ?
意外におでこが広いことに気づいた。
見慣れないので当然だが、似合っているとはとてもいえない。。。
美容師の友人が「このくらいでいい?」と聞いてくる。
何だか、まだ中途半端に長い気がする。
五分刈りみたいな感じだ。
似合わなく思うのは、中途半端な長さなのかもしれないと思い、もっと短くしてもらうことにした。
そういえば、品川庄次の品川がやってるな。
アイスのガリガリ君のようだ。
松本一志が坊主にしたときも驚いたが、今は普通である。
きっと一週間もすれば僕の顔も普通になる。
さらに短くしてもらったわけだが、それでもやっぱり似合わない。
いっそのことスキンにしようかとも考えたが、さすがにそこまでの勇気は持ち得なかった。
懸念していたデコボコは、かろうじてある髪のおかげかいびつさは感じない。
やけに頭がスウスウする。
こんな感覚は初めてだ。頭が冷えすぎて夜眠れるだろうか。
チャリンコを扱いで帰る道すがら、通る人の視線が自分に注がれているような気がする。
自意識過剰だ、坊主はどこだっているのだし、僕がさっきまで髪ふさふさだったなんて知ってる人はいないんだから。
そう思うとなぜか自然と笑いが起こってきた。
この奇妙な非現実的な感覚。でもこれは現実なのだなぁと、僕の人生でかなりの勇気ある決断だったともう。
嫌な会社を辞めるときでももうちょっと気軽にできるんじゃないだろうか。
やってしまった後で後悔はしたくないが、やはり若干の後悔と共に、この決断をできた自分を褒めてやりたくもなった。
一旦マンションに帰って、O君と筋トレに行くことにした。
もちろん、坊主にしたことはまだ言わない。
試しにグラサンをかけてみたら、何だか恐ろしい。
どこかのヤクザみたいだ。これで眉毛でも剃れば確実に「あぶない」人だろう。
面白いのでこのグラサンを付けたままO君と会うことにした。
O君が車で迎えに来たので、自分はいたって普通の顔をしてマンションを出る。
O君は一瞬気づかないようなそぶりをしたが、すぐに僕だと気づき、驚きの顔をした後、失笑っぽい笑い声を出しながら「どうしたんですか!?」「何があったんですが??」と聞いてくるその表情があまりにも面白くて、普通の顔を作っていた僕もさすがに我慢できずに笑いが漏れる。
「いや別に、なんということもないけど。。。就職が近いけん」
と説明不足の返答にO君が笑う。自分も笑う。
車の中でグラサンはさすがにはずした。
こういうのは気心の知れた相手じゃないとやはり恥ずかしい。
体育館についてノーズリーブと短パンのいでたちになり、鏡を見ると、何か屈強に見える。
スキンだとボディビルダーのように見えるのかもしれない。
体育館に来ている人たちは、僕を知らないのだから、当然特別な反応はない。
笑うのはO君と僕のみである。
見た目が違うことが何かやる気を催したのか、いつもよりも激しく体を追い込んだ。
付き合ったO君は、明日筋肉痛が尋常でないことと思う。
これから会うであろう僕の知人達は、この坊主頭を見て、どういう反応をとるだろうか。
恥ずかしさと、一抹の不安と共に、わくわくとした不思議な期待が僕の体を駆け抜けている。
そんな4月1日であった。
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