川島雄三監督が若尾文子を主演に描いた代表作をDVD化。寺の襖絵師の妾・里子の官能的な肉体に惹かれた住職は、襖絵師の死後、彼女を囲うことに。男女の愛欲と、痴態を覗き見する少年僧の歪んだ愛憎劇が展開。原作は水上勉の直木賞受賞作。
若尾文子演じる里子の妖艶さが際立つ。
少年僧のひた隠しに過去を知るにいたり、哀れみから、体を許したことが、少年僧の住職に対する嫉妬を生み出し、これまでのむごい扱いとあいまって、住職への憎しみは、殺害という形で帰着する。
愛欲にまみれた禅寺、そのでの愛憎入り乱れた人間の感情の交差がおどろおどろしく、美しく、不気味だ。

それにしてもこの頃の一部の女性は、こうやって自分の体を担保に生活の道を確保しなければならなかったというのが悲しい。

時を経て観光地と化した禅寺で、張り足された襖に隠された過去を知るものはいない。ショッキングなラストに、鳥肌が立つ。

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