映画 『東京マダムと大阪婦人』
1953年日本映画/1時間36分
配給:松竹大船
[製作]山口松三郎[監督]川島雄三[原作]藤沢桓夫[脚本]富田義朗[撮影]高村倉太郎

東京の紡績会社の社宅で西川隆吉と伊東光雄はお隣り同士。西川の妻・房江は大坂の船場育ち、伊東の妻・美枝子は東京の下町育ち、二人は夫が同じ課の同輩ということで、何かにつけて張り合っていた。彼女たちの思いをよそに、房江の弟と恋に落ちる美枝子の妹・康子を演じているのはSKD出身で、本作品が映画初出演の芦川いづみ。当時としてはテンポのいいシティー・コメディである。


社宅というのは便利だけど厄介だ。
同じ課の旦那方の出世争いは、本人たちよりむしろ妻たちの間で熾烈である。大阪派と東京派に別れ、表で笑って陰で張り合う。
本音と建前、実に日本的なコメディーだ。
主婦連の世間話をアヒルに例え、ガーがーガーと井戸端会議。
うわさはやがて真実のように扱われ、そこに誤解が生じ、派閥はさらに溝が出来。
てな感じだけど、話の落としどころもまた日本的。
争っていた旦那どちらも結果的に出世できなくて、お互いうやむやにハイ仲直り。
そんな日本人の特徴を、小気味よくシニカルに描いた良作。
自由闊達なパイロットが会社員や主婦らと対照的な奔放さで、その皮肉をさらに強調してる。

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