DVD アイ・ヴィ・シー 2000/04/25 ¥3,990
魔女裁判にかけられ、死を恐れながらも最期まで屈することのなかったジャンヌ・ダルクの生涯を、現存する裁判記録をもとに映画化したロベール・ブレッソン監督の感動の名作。

ブレッソンの作品は、他に「スリ」しかみていないが、双方共に言えることは、淡々と事実として描こうとしているところだ(「スリ」は事実ではないけれど)。
ドライヤーの無声映画との違いもあるだろうけど、ブレッソンの展開は早い。
ロングショットではなく、短いショットの連続で、観るものの心裡に迫ってくる。
基本的には、ジャンヌ・ダルクの裁判記録に基づいているので、ストーリーや話の流れにドライヤーのと大差はないが、見せ方が真逆。演出が違うだけでこれほども違った映画になるものかと思う。
ブレッソンは女優を起用しているので、ドライヤーに比べて現実の人間味に若干欠けるように思える。
見せ方はドライヤーの方が大仰なのに、そう感じてしまうのが映画の不思議だ。
ドライヤーでは、聴衆が、ジャンヌを聖者のように扱い、死をもったとき暴動が起きるのだが、ブレッソンの作品の場合、聴衆もダルクにヤジを浴びせる。
実際には、ブレッソンの方が事実に近いのではないかと思っている。そういう意味でも、ブレッソンは、あくまで事実にこだわったと言えるのではないかと思う。

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