DVD ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2005/06/22 ¥2,000
ヴェトナム戦争で顔に重傷を負って帰還したアル(ニコラス・ケイジ)は、戦場のショックで精神病院に入れられている友人バーディ(マシュー・モディン)を回復させるべく努力していく。かつてバーディは、ひたすら鳥になりたがっていた青年だった。そして今は、鳥のようにうずくまっていた…。
名匠アラン・パーカー監督がウィリアム・ワルトンのベストセラー小説を得て、戦争批判を隠し味に青春と友情の美しさを描いたヒューマン映画の傑作。鳥のように空を飛ぼうとバーディが試みる麗しき回想シーンと現在の冷たい檻の中、彼がカナリアに思いいを託して幻想の中で空を飛ぶ空撮の美しさとその後の冷酷なてん末など、対比の効果がすこぶるうまくいっている。そして意表をついたラストの素晴らしさ。カンヌ国際映画祭特別グランプリ受賞。
肌で触れることが出来、匂いをかぐことが出来る、そういった感覚を現実だと誰が決めたのだろう。
そして、想像、を感じることは現実じゃないと誰が決めたのか。
バーディーは自分の描いたもう一つの現実に生きているに過ぎないんだ。周りが現実だと思う世界に耐えきれないから、もうひとつの現実を生きる選択をしただけじゃないのか。
彼の描く、平和で、自由で、穏やかな現実に彼は生きていたかっただけなんだろう。
バーディをもう一つの、人々が現実だと受け止める世界に繋ぎ止めるのは、親友の存在。
アルだけは彼を理解した。全く性格的に真逆の人間が時として親友になる。不思議だ。バーディはアルの一部。
友情とは素晴らしい、そう感じさせてくれる作品。
そしてラストの落ちも、なかなか。雰囲気を重いままで終わらせていないのがいいな。

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