VHS 日活 1989/10/10 ¥14,585
彼を愛した女は、彼を生かそうと苦闘するが適わぬと知ったとき、彼のつまらぬ矜持と添い遂げることを選んだ。
彼は、手榴弾を片手に言った。「俺が卑怯じゃないことを証明してやる」
捕虜になっておきながらのこのこと生きながらえ帰還した自分への汚名とやらを晴らすために、女を巻き添えに自害した。
ラスト、中国の女が言う、「日本人はすぐに命を捨てる。何があっても生きようとしないといけない。死ぬのは卑怯だ」
死ぬのは卑怯だ。
彼が自らの卑怯を晴らすためにとった行動をこの作品は最後に卑怯と言って締めくくる。
アイロニーにみちた反戦映画だ。
中国の荒野をトラックが行く。日本兵のために集められた慰安婦の一行である。その中に男に裏切られ自暴自棄の娼婦・春美(野川由美子)がいた。春美の目は刺すように鋭い・・・。僻地の村に着いたその夜、娼館に大挙して兵隊達がやって来た。女7人、兵士は1000人である。春美の相手は成田中尉(玉川伊佐男)。軍刀を振りかざす乱暴で傲慢な男である。しかし、かつての恋人への思いを成田に重ね、春美の肉体は成田を強く求め始める。一方、体とは逆に春美の心は別の男に向かい始める。成田の当番兵を勤める三等兵・三上(川地民夫)。澄んだ目をした生真面目な男である。原作は田村泰次郎。監督鈴木清順。愛国心というものの曲がった解釈が、正当の教育によりなされ、彼は義務を絆よりも大切なことと解釈し、つまらぬ矜持のために命を落とす。
彼を愛した女は、彼を生かそうと苦闘するが適わぬと知ったとき、彼のつまらぬ矜持と添い遂げることを選んだ。
彼は、手榴弾を片手に言った。「俺が卑怯じゃないことを証明してやる」
捕虜になっておきながらのこのこと生きながらえ帰還した自分への汚名とやらを晴らすために、女を巻き添えに自害した。
ラスト、中国の女が言う、「日本人はすぐに命を捨てる。何があっても生きようとしないといけない。死ぬのは卑怯だ」
死ぬのは卑怯だ。
彼が自らの卑怯を晴らすためにとった行動をこの作品は最後に卑怯と言って締めくくる。
アイロニーにみちた反戦映画だ。
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