映画 『ロスト・イン・トランスレーション』
2007年5月7日 映画〔洋画〕
DVD 東北新社 2004/12/03 ¥3,990
ただ日本というのは、日本人からではわからない他の国にない異質さみたいなものがあるのかもしれませんが。
監督は日本を知っているだけあって、へんてこな日本ではなくて、違和感ない日本でした。外国人は、日本に来たら、こういう風にとまどうのだろうなあというのがよくわかりました。
主人公達の感情は、恋だの愛だのいうよりも、友情的なものに思えましたね。
ソフィア・コッポラ監督が、自らの来日での経験を生かして書き上げた本作で、第76回アカデミー賞脚本賞を受賞。CMを撮るために来日したハリウッドのアクション・スターと、ミュージシャンの夫に同行するも、ホテルに取り残されたアメリカ人女性が、たがいの気持ちを理解し合う。ただそれだけの物語だが、東京のカルチャーが外国人旅行者の目線で鮮やかに映し出され、彼らの高揚感と孤独、とまどいを伝えていく。異国にいる疎外感というのは、否応なく自分自身に目を向けます。日本という設定は、たまたま、監督と縁が深かったからであり、このような疎外感は、外国ならどの国でもあり得るのだと思います。
タイトルにあるとおり通訳の不備で意志の疎通ができないもどかしさや、某ハリウッド女優をパロったキャラが笑いを誘いつつ、主人公ふたりの感情を台詞の「間(ま)」で表現するなど、アメリカ映画とは思えない曖昧さが本作の魅力。むしろ「間」の感覚を知る日本人の視点で観た方が、より主人公たちの切なさを感じられるかも。コミカルとシビアな表情をさり気なく使い分けるビル・マーレイと、控え目に孤独感を表現するスカーレット・ヨハンソンの演技には存分に共感。「はっぴいえんど」を始めサントラの選曲も含め、映画に描かれるあらゆる要素が、優しく繊細に登場人物の心を代弁する。
ただ日本というのは、日本人からではわからない他の国にない異質さみたいなものがあるのかもしれませんが。
監督は日本を知っているだけあって、へんてこな日本ではなくて、違和感ない日本でした。外国人は、日本に来たら、こういう風にとまどうのだろうなあというのがよくわかりました。
主人公達の感情は、恋だの愛だのいうよりも、友情的なものに思えましたね。
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