映画 『戦場のピアニスト』
2006年11月12日 映画〔洋画〕
DVD アミューズソフトエンタテインメント 2003/08/22 ¥3,990
この作品は、人間の残酷な部分を描くとともに、人間の中にある希望の部分を描き出しています。どんな立場にいようとも、どんな人間であろうとも、人間はやはり良心を持っています。その良心が、一人の人間の命を繋ぎ止めました。
エイドリアン・ブロディの演技は、本当にすばらしかったです。
2002年のカンヌ映画祭においてパルムドールに輝いた『戦場のピアニスト』は、ロマン・ポランスキー監督が指揮することを運命づけられた映画である。幼少時代をナチス占領下のポーランドで過ごしたポランスキー監督こそが、ユダヤ系ポーランド人のピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマン(エイドリアン・ブロディ)の自伝を映画化するに相応しい唯一の人物と言える。ナチスのワルシャワ侵攻を目の当たりにし、死の収容所送りを奇跡的に逃れたシュピルマンは、ゲットーの廃墟に身を隠すことで第二次世界大戦を生き延びる。ナチスのホロコーストを映画化したこれまでの作品とは異なり、主人公の視点から忠実に描写され、ポランスキー監督によって壮大なスケールで戦争を描いた奥行きのある叙事詩となっており、シュピルマンが希望を捨てずに粘り強く生き延びる様子と、彼が逃げ出すことを拒んだ街が徹底的に破壊される様子とを対比して浮かび上がらせている。一切の妥協を排して肉体的、感情的な真実性を追求することにより、『戦場のピアニスト』は希望と精神的純潔性の究極的な調べを奏でている。『シンドラーのリスト』と同様に、人間性の最も暗い部分を描き出した偉大な映画の中の1作である。人間は死を目前とすると、死に執着し、死から離れた場所では、簡単に自ら命を落とす。この作品を見て、現代を振り返ってみると何となくそんな風に思います。
この作品は、人間の残酷な部分を描くとともに、人間の中にある希望の部分を描き出しています。どんな立場にいようとも、どんな人間であろうとも、人間はやはり良心を持っています。その良心が、一人の人間の命を繋ぎ止めました。
エイドリアン・ブロディの演技は、本当にすばらしかったです。
コメント