映画 『プライベート・ライアン』
2006年11月10日 映画〔洋画〕
DVD CICビクター・ビデオ 2002/06/07 ¥2,625
優れた監督なのは間違いありませんが、スピルバーグも黒澤も、そういうわけで、僕のベストの監督にはならないのです。
激烈を極めたノルマンディ上陸作戦で、3人の兄を亡くしたライアン2等兵。彼を無事に故郷に送り届けるため、8人の特命隊が組まれた。軍上層部のこの命令に疑問をもちながらも、8人は過酷な戦況をくぐり抜けてライアンを探す。今更いうのもなんですが、僕もやはり見ていて、これは黒澤明の「七人の侍」の影響が色濃いなあ、と思ったクチです。ていうか、スピルバーグの作品は、よい意味でも悪い意味でも黒沢作品と通じるところがあります。「シンドラーのリスト」などでもラストらへんにシンドラーのかなり教条的な独白がありましたが、そんなところが、後期の黒澤と似通っています。後期の黒澤はともかく、二人とも観客を前提として映画を撮っていますので、悲惨を描いていても根底にはエンタテイメントがあります。だから演出が過剰になっちゃうところもありますし金もかかりますね。
「1人の新兵の救出に、8人が命を賭ける価値があるのだろうか?」この重圧なテーマに、スティーヴン・スピルバーグ監督とオスカー俳優トム・ハンクスがのり、アカデミー賞5部門を始めとする各賞を独占した。
ラストまで息がつけない迫力の戦争スペクタクルだが、特に冒頭の30分を占めるノルマンディ上陸シーンは、映画史に残る衝撃的な映像だ。あまりの恐怖に、「夢に出てきて夜中うなされた」という人も多い。ハンクスを含む8人が実に個性的に描かれているだけに、彼らの死に胸が痛む。ライアン2等兵は、マット・デイモンが演じている。
優れた監督なのは間違いありませんが、スピルバーグも黒澤も、そういうわけで、僕のベストの監督にはならないのです。
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