DVD メディアファクトリー 2003/06/27 ¥4,935
『CURE』『回路』など国際的評価の高い黒沢清監督が、世代間による対立や現代社会に対する価値観の相違などを巧みにとらえた作品。おしぼり工場で働く雄二(オダギリジョー)と守(浅野忠信)。ある日守は社長夫婦を殺害し、やがて刑務所内で自殺。一方雄二は、音信不通だったという守の父・真一郎(藤竜也)と一緒に暮らすようになり、いつしか不思議な関係が築かれていく…。
守が飼っていたクラゲが、本作の中では象徴的に扱われ、手詰まりの社会という枠の内と外の関係性や自由性をも示唆しながら、不思議と未来を明るくしていくかのようでもあり、そこがユニークな点。三世代の男優たちの魅力もすこぶる生かされているのがいい。
若者の思考や感情が抽象的に写るから、この作品も抽象的にならざるを得ないということでしょうか。抽象を監督の思う形で具体化することもできたと思うのですが、あえて監督は抽象を自分の考える抽象によって映画化したのだと思います。たとえばクラゲ。このクラゲが何を象徴しているかは、本当のところ監督の意図を正確に把握しているもの、つまり監督にしかわからないでしょうし、見る方にとっては、いろいろな解釈ができますからね。どっかで、このクラゲに託した暗喩みたいなものの説明を監督はしてるのかなあ。だとしたらぜひ読んでみたいです。ちなみにこの作品、僕は感覚的にわからないこともないです。僕もなんだかんだで、若者の部類に分類されるということなのでしょうか。

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