監督 成瀬巳喜男
この当時の作品を多く見ていると、今の人たちの悩みに比べて、「自分でも訳のわからない」といった種のものが少ないように思われます。
女性たちが個々抱える苦悩にしても、非常に明確に見る側にも伝わってくるんです。現代の作品の中には、非常に説明しにくい悩み、苦しみ、というものを描いた作品が多く、それゆえにそういった得体の知れぬ空虚感を抱く人々に指示されもするし、そういったものを内に抱えていない人々にとってはさっぱり訳のわからない作品に見えたりもするのだと思います。
この作品の女性たちの抱える問題は、もしかすると現代ではあまり問題にされないようなことなのかもしれません。しかしそこから派生する悩みの質という部分になると、誰もが持ちうる苦しみであると思います。
この作品に描かれる運命の悲壮さは、交通事故続きでささくれた僕の心にとっては、逆に不思議とある種の慰安を与えてくれるのです。不幸にあっても健気に生きている姿に打たれます。ラスト近くで、交わされるやりとりの中に「精一杯生きていればそれでいいじゃありませんか」という言葉があって、それこそが、この作品の伝えんとすることなのだと、僕は勝手ながら思っております。
荒物屋を営む大家族にあって、それぞれの生き方を模索する女たちの姿を描いたオールスター作品。未亡人(高峰)の目で解体に瀕する家族を見つめ、その中心をなす父親に笠智衆を配するなど、見方によっては小津安二郎『東京物語』の変奏曲にも感じられる。
この当時の作品を多く見ていると、今の人たちの悩みに比べて、「自分でも訳のわからない」といった種のものが少ないように思われます。
女性たちが個々抱える苦悩にしても、非常に明確に見る側にも伝わってくるんです。現代の作品の中には、非常に説明しにくい悩み、苦しみ、というものを描いた作品が多く、それゆえにそういった得体の知れぬ空虚感を抱く人々に指示されもするし、そういったものを内に抱えていない人々にとってはさっぱり訳のわからない作品に見えたりもするのだと思います。
この作品の女性たちの抱える問題は、もしかすると現代ではあまり問題にされないようなことなのかもしれません。しかしそこから派生する悩みの質という部分になると、誰もが持ちうる苦しみであると思います。
この作品に描かれる運命の悲壮さは、交通事故続きでささくれた僕の心にとっては、逆に不思議とある種の慰安を与えてくれるのです。不幸にあっても健気に生きている姿に打たれます。ラスト近くで、交わされるやりとりの中に「精一杯生きていればそれでいいじゃありませんか」という言葉があって、それこそが、この作品の伝えんとすることなのだと、僕は勝手ながら思っております。
コメント
とはいえ、「浮雲」はやはり名作ではありますが..
「おかあさん」という成瀬作品の女性の細腕繁盛記のような感じも良かったですよ。長男が病死したり夫に先立たれたり、次女を里子にだしたり・・・と波乱づくめなんだけれど「おかあさん」の顔で淡々と乗り切っていく姿はすごいなあと思いました。
「おかあさん」見てみたいです。
この作品に出てくる人たちも、僕はとても逞しい人たちだとかんじます。昔の人たちが逞しかったということなのでしょうか。生きるというのは大変ですね。僕はまだまだ、甘いなあと思います。
僕も映画に出てくる人々のように逞しくなりたいですね。
私も車を運転するので交通事故って何回か経験ありますよー。大きな事故ではないので身体に怪我とかなくても、やはり事故を起こした次の日などはまめいがして一日寝てたりしました。嫌なものですよね。。時間とともに徐々に忘れていきましたが..。
最近は、風が強くてドアがいきなり開き、隣の車を傷つけて弁償とか、車のフロントガラスに石があたってひびが入ったり..と自然災害(?)も多くて、悔しいんだけど、どこに文句を言っていいのかわかりません(笑)
事故を起こすと、当たり前にできていたこととかもできなくなって、いろいろな計画がすべてパーになりますし、再び車を買う出費の心配や、同乗者への申し訳ない思いやケア、と心労のかさむことばかりです(><)
僕にとっては体の怪我よりも、メンタルな部分でつらいですね。
車の運転をしていると、大きい小さい問わず何らかの事故には遭いますよね。僕はそれが単発ではなく三回も続いたので、加えてほかにも盗難にあったり大事な書類を落としたりと散々だったので、さすがに今回は堪えました。。。
今後naoさんも僕も何事もないことを祈ります。