映画 『エレファント』
2006年6月3日 映画〔洋画〕
DVD ジェネオン エンタテインメント 2004/12/03 ¥3,990
加害者の二人ですが、映画のいくつかのシークエンスから動機らしきものを推測することもできます。あくまで僕なりのですが。
金髪の少年は虐めの復讐が大きな要素となっているのではないでしょうか。逆にもう一人の少年は、嫌がらせを受けている場面があったのはありましたが、最後に金髪の少年を殺すところを見て、この作品の中では、この少年は、純粋に殺しを楽しむ人物として描かれているのではないかと感じました。ナチスの映像を見る場面、旗に興味を示したのも、この少年でした。
いずれにせよ、監督は、この作品を映画として終わらせるだけが目的で作ったのではないことは確かでしょう。題材と、それを淡々と描いた演出の裏に見える監督の狙いを僕たちも考えてみるべき映画だと思います。
米コロンバイン高校の銃撃事件を題材にして、ガス・ヴァン・サント監督がカンヌ国際映画祭でパルムドールと監督賞を受賞したセンセーショナルな一作。事件の当日、生と死の運命を分けることになる高校生たちの日常を追いかけながら、加害者2人が犯行に至るまでのドラマが進行していく。それぞれ違った生徒のアングルから同一の事件の経緯を描いています。一見メッセージ性をそぎ取った事実の描写のようにも思われますが、それ故に見る方はこの作品の意味や加害者となった少年たちの動機に様々な解釈を付する余地が生まれ、この作品の問題性をより深いものへと導いていくのではないでしょうか。本作のメッセージというか、監督の意図は実はそういったところにあるのではないかと思いました。
生徒ごとに章立てされた構成。ユニークなのは、それぞれの生徒の後ろをついていくカメラワークだ。スムーズな映像の動きと、それぞれの視点で映し出される校内の風景を通して、各人物の個性や人間関係が浮かび上がってくる。極端なダイエットやいじめなどを描いた何気ない日常も、その後、血に染まる光景に化すと思いながら観ると、かなりスリリングだ。もっとも緊密感があるのは、加害者2人の部分。監督は、彼らの動機を明らかにするわけではなく、その行動を冷徹にとらえる。惨劇シーンは目を覆うばかりだが、映画全体は、リリカルな映像とクラシックの音楽の効用で心地よい空気に覆われ、映画初出演のキャストたちがみずみずしい存在感を放つ。不思議な後味を残す一作だ。
加害者の二人ですが、映画のいくつかのシークエンスから動機らしきものを推測することもできます。あくまで僕なりのですが。
金髪の少年は虐めの復讐が大きな要素となっているのではないでしょうか。逆にもう一人の少年は、嫌がらせを受けている場面があったのはありましたが、最後に金髪の少年を殺すところを見て、この作品の中では、この少年は、純粋に殺しを楽しむ人物として描かれているのではないかと感じました。ナチスの映像を見る場面、旗に興味を示したのも、この少年でした。
いずれにせよ、監督は、この作品を映画として終わらせるだけが目的で作ったのではないことは確かでしょう。題材と、それを淡々と描いた演出の裏に見える監督の狙いを僕たちも考えてみるべき映画だと思います。
コメント