浅草六区。三味線で流しをする門付け女として働いているお染(堤真佐子)は、駆け落ちした姉・おれん(細川ちか子)と偶然出会う。彼女は内縁の夫が肺病にかかり、二人で彼の故郷に赴くところという。その夜、お染はレヴュー・ガールの妹・千恵(梅園龍子)の恋人を脅迫するヤクザを止めようとして刺されるが、重傷をおして姉のいる駅へ向かう。千恵は駅へと駆けつけるが間に合わず、駅のベンチでは姉を見送ったお染の意識が遠のいていく。
成瀬巳喜男の初のトーキー映画。
戦前の町並みや会話が僕にとっては新鮮でした。「モダンガールのモダンちゃん」という言葉が、からかい言葉としてなりたつ時代なんですから、今の時代の若者が使うからかいは、この時代なら卒倒ものでしょうね。
門付けという商売を見るにつけ、生きる厳しさが今とは比べものにならないのだなあと思います。幼い子も、糊口を凌ぐために現代でいう飛び込み営業をしなければならないのですから。
どうにもならない運命の中で生きていくつらさの中で、恋人を作るにも駆け落ちをしないといけない家もたくさんあったのでしょうね。次女お染のけなげな献身と、このような運命を甘受しつつも常に失わない他人の幸福を願う優しい心がすばらしいです。

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