DVD 東映 2005/11/21 ¥4,725
明治時代、実業家の息子で職につかず高等遊民の生活を送っている長井大助(松田優作)は、学生時代の友人・平岡(小林薫)と再会。平岡の妻・三千代(藤谷美和子)はかつて長井が愛しながら身を引いていた女性であった。やがて長井と三千代はお互いの想いが再燃していくのだが……。文学と映像の完璧な融合。映画であって、一冊の小説を読んでいるかのような感覚にも襲われます。日本人独特の感情の機微とでもいいましょうか。松田勇作、藤谷美和子ともに大変素晴らしいです。原作物の中でもこれほどの完成度のものはなかなか見られるものではないと思います。森田監督の手腕に拍手ですね。あの、美千代の肖像写真?が浮かんでくるところ、ぞくっとしますね。ぜひ見てほしい作品です。
文豪・夏目漱石の同名小説を『家族ゲーム』『失楽園』などの森田芳光監督が完全映画化。明治という時代を様式化した美術や衣裳、小道具、台詞回しなど、ノスタルジックかつスタイリッシュな映像世界がめくるめくように展開し、その中から男女の愛がじわじわ醸し出されていく。抑えに抑えた松田の静なる演技も実に見事。梅林茂の悲しみの叙情をたたえた音楽も忘れがたい余韻を残してくれている。
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