読書 『魔の山〈上〉』
2006年2月23日 読書〔小説・詩〕
ISBN:4003243366 文庫 望月 市恵 岩波書店 1988/10 ¥903
彼は「ブッテンブローグ家の人々」でノーベル賞をとったらしいけど、知名度としてはこの「魔の山」の方が高いんじゃないかなあ、日本では。ちなみに「ブッテンブローグ家の人々」は岩波で最近復刻されるまでは文庫でなかった。でも何故かうちにハードカバーである。
「魔の山」は、題名からいって「ファースト」みたいに神話的というか、もっと空想性のある物語かと思っていたけど、上巻を読んだ限りでは、非常に現実的な物語だった。
サナトリウムに3週間の予定で従兄弟を尋ねたカストルプが、そこで微熱を催し、長期間の療養を強いられるうちに様様な人間から薫陶を受ける。明かに作者の意図する主題は下巻に収められていると見えて、上巻にはそれほどの展開は感じられない。ストーリーの中に時間の概念に対する作者の視点が盛りこまれていることくらいだろうか。
ストーリー自体は、これからどうなるのか非常に興味のわくところではあるが、若干、訳がわかりにくいのが残念。
平凡無垢な青年ハンス・カストルプははからずもスイス高原のサナトリウムで療養生活を送ることとになった。日常世界から隔離され病気と死が支配することの「魔の山」で、カストルプはそれぞれの時代精神や思想を体現する数々の特異な人物に出会い、精神的成長を遂げてゆく。『ファウスト』と並んでドイツが世界に贈った人生の書。トーマス・マンは三島由紀夫が最も好きな作家だったそうです。確かね。
彼は「ブッテンブローグ家の人々」でノーベル賞をとったらしいけど、知名度としてはこの「魔の山」の方が高いんじゃないかなあ、日本では。ちなみに「ブッテンブローグ家の人々」は岩波で最近復刻されるまでは文庫でなかった。でも何故かうちにハードカバーである。
「魔の山」は、題名からいって「ファースト」みたいに神話的というか、もっと空想性のある物語かと思っていたけど、上巻を読んだ限りでは、非常に現実的な物語だった。
サナトリウムに3週間の予定で従兄弟を尋ねたカストルプが、そこで微熱を催し、長期間の療養を強いられるうちに様様な人間から薫陶を受ける。明かに作者の意図する主題は下巻に収められていると見えて、上巻にはそれほどの展開は感じられない。ストーリーの中に時間の概念に対する作者の視点が盛りこまれていることくらいだろうか。
ストーリー自体は、これからどうなるのか非常に興味のわくところではあるが、若干、訳がわかりにくいのが残念。
コメント