ISBN:4569664105 文庫 日暮 学 PHP研究所 2005/06 ¥520
フリーターって、何を考え、どんな生活を送っているのだろうか。その実際の姿を、現役フリーターがすべて実話でセキララに紹介する。

やはり実話の迫力はすごい! 本書は、その驚くべき現実が、著者とその周辺フリーターの体験として、赤裸々にレポートされている。▼著者は、いくつかの企業に就職するも続かず、はからずも10年にわたりフリーター人生を続けている38歳の独身男性。▼その赤面の実話とは、たとえば「一週間、水ば飲む」。仕事で腰を痛めて立つことも外出もできず、一人暮らしの部屋を這いながら水だけ飲んで命をつないだ話。電気が止められた冬の日、もちろん灯りもエアコンも冷蔵庫も止まり、ろうそくで過ごした一夜の話。その他、「入浴はガソリンスタンドで」「一円の重み」「保険のない恐怖の生活」「風邪がもたらした喜劇と悲劇」などなど、興味深い項目が目白押し。▼35歳を過ぎた一人のフリーターの、食生活、日常生活、金銭生活、不健康生活を余すところなく赤裸々にレポートした本書は、あまり書かれることのなかったフリーターの現実の姿を浮き彫りにする。
このままフリーターを続けたら一体どうなるのかなあ?といったフリーターが抱く先のみえない不安という心理状態の真っ只中にいる僕がついつい手にしてしまった、フリーター心理をくすぐる一冊。なんだけど、内容はいまいち薄い。
芸能人1ヶ月一万円生活じゃないけど、フリーターも貧乏ゆえにどうしても、料理の献立とかを載せてしまうようだけど、僕としては、著者のフリーター哲学みたいなものをもっと書いてほしかった。
といっても、当人がフリーターの不安の只中で書いているのは読んでみるとあきらかで、自分で選んでフリーターっていうのではないだけに、この著者は、フリーターの弱者的位置を嘆きながらも、弱者の立場で戦いつづけるつもりはさらさらないようである。だから、まあつまり、ある一人のフリーターの日常や心情を綴った、または、周りのフリーターの境遇を書いた、まさに日記。ゆえに、フリーターの今後に対する肯定的な意見も否定的な見解も存在せず、書かれているのは、今現在、あるがままのフリーターの姿の色々。

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