DVD バンダイビジュアル 2002/02/25 ¥5,040
押井守監督の実写作品『紅い眼鏡』『ケルベロス』にも登場する公安直属特機部隊ケルベロス。その成立過程を背景に、特機所属の青年と彼らと敵対する立場にある都市ゲリラの女性との交流が描かれる、ケルベロスサーガ前史といえる長編アニメーション。
舞台は第2次世界大戦終結十数年後、高度経済成長期にあり、民衆運動と機動隊の衝突が繰り返される昭和の日本。日本現代史の中にケルベロスという架空の組織を滑り込ませることで、フィクショナルでありながらも当時の空気を再現するリアリティを獲得することに成功している。民衆や学生の闘争の時代をくぐり抜けてきた押井守ならではの設定、物語が堪能できる傑作だ。
なお、本作では監督を沖浦啓之に任せ、押井自身は原作と脚本に徹している。
押井の世界は、よっぽど金をかけないと実写ではリアリティを出すことは難しいと思うので、やはりアニメがいいのだと思う。人狼は、押井は監督していないけど、その世界観や作風は紛れもなく押井の系列であり沖浦監督には申し訳ないけど、僕は、確実に押井の作品として見てしまった。そして、押井が監督していたら、さらに硬質なできばえになっていただろうなあとも思った。
それにしても、押井さんは、どの作品でも基本的に同じことを言っている。根っこの部分の作品のメッセージは全部一緒。だけど、僕はそれでいいと思うし、彼の作品はだからこそ魅力があるのだと思う。そのメッセージがどんなものなのかは、押井作品を見ていけば嫌でもわかってくることだから、あえて書かない。
つまり、僕は、好きです。

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