DVD 東宝 2002/10/25 ¥8,400
三船の演技は、やっぱり黒澤映画あってしてじゃないかと思います。
黒澤じゃなきゃ、三船は引き立たない。
七人の侍、あんまり印象に残らなかった人もいるけど、一人一人に特徴を備えさせ、そこにいくらかのドラマを生まれさせる。そういった小さいドラマを交えながら、大枠の野武士との合戦への農民との結束が描かれていく。やっぱり雨の戦闘シーンは、映画的にはリアルじゃなくも、現実的には、限りなくリアルで、実際侍達の合戦というのはかくも泥臭いものであったに違いないと思われ、そう言う意味でも他の合戦者とは一線を隔していると思います。
そんで、やっぱり黒澤映画というものは、どんなにエンターテインメントをしていても、その底の部分には、ヒューマニズムがあるんですね。黒澤ヒューマニズム。晩年露骨になってくるけど、それを嫌う人がいるのは事実だけど、やっぱりそのヒューマニズムというパワーが黒澤映画を名作たらしめている一番の要因だという感じが僕はするわけです。
時は戦国時代。夜盗化した野武士の横暴に苦しむ農民たちは、侍を雇って村をまもろうとする。かくして集められた7人の男たちの活躍をダイナミックに描いた、巨匠・黒澤明監督の堂々3時間30分に及ぶ、古今東西の映画史上永遠に残る名作中の名作。僕は完全版で見ましたけど、大画面で見てみたいなあと思いますね。確かに、長さを感じないくらい面白かったけど、難を言えば、話し声が聞き取りにくい。フランス人が、日本映画の保存状態の粗雑さに驚愕したというけど、この世界に冠たる傑作をですね、もっともっと大切に保管してくださいな。
合戦シーンのすさまじさとリアルさは言うに及ばず(三船敏郎が「1本の刀では5人も斬れん」とストックの刀を用意するところはゾクゾクした)。7人の個性的面々のキャラクターの見事な描き分けもすばらしい。個人的には、リーダー格の志村喬のおおらかな威厳と、無口な剣の達人・宮口精二のニヒリズム、ユーモラスな加東大介が好みだ。農村の自衛を描いていることから、公開時は自衛隊礼讚映画といった批判の声もあがったが、無論今ではそんな無粋(ぶすい)なことを言う者はいない。
三船の演技は、やっぱり黒澤映画あってしてじゃないかと思います。
黒澤じゃなきゃ、三船は引き立たない。
七人の侍、あんまり印象に残らなかった人もいるけど、一人一人に特徴を備えさせ、そこにいくらかのドラマを生まれさせる。そういった小さいドラマを交えながら、大枠の野武士との合戦への農民との結束が描かれていく。やっぱり雨の戦闘シーンは、映画的にはリアルじゃなくも、現実的には、限りなくリアルで、実際侍達の合戦というのはかくも泥臭いものであったに違いないと思われ、そう言う意味でも他の合戦者とは一線を隔していると思います。
そんで、やっぱり黒澤映画というものは、どんなにエンターテインメントをしていても、その底の部分には、ヒューマニズムがあるんですね。黒澤ヒューマニズム。晩年露骨になってくるけど、それを嫌う人がいるのは事実だけど、やっぱりそのヒューマニズムというパワーが黒澤映画を名作たらしめている一番の要因だという感じが僕はするわけです。
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