映画 『シン・レッド・ライン』
2005年10月1日 映画〔洋画〕
DVD ジェネオン エンタテインメント 2004/11/25 ¥2,500
『地獄の逃避行/バッドランズ』『天国の日々』のたった2本、けれども映画史的傑作を残して、謎の沈黙を続けていた伝説の名匠、テレンス・マリック。その天才監督が20年ぶりに発表したのは、太平洋戦争の激戦地ガダルカナル島が舞台の、生と死の叙情詩だ。確か『プライベート・ライアン』と同時上映だったと思う。大学時代友人と3人で見にいったわけだが、2人の評価は散々の散々だった。僕はといえば、そこまで酷くないと思った、というよりむしろ良作だと思ったのだけど、確かに冗長な部分は目に付いた。自然と戦争の対比。監督の意図する部分は充分にわかるのだけど、いささか長すぎるかと。もうひとつ。有名スターをちょっとだけ出演させるために無理やりこさえたような人物が出てきて、確かトラボルタだったかな、誰だったかなあ。とにかく、そういった部分が蛇足的に感じてしまった。でも、この映画は、後々残る映画だな。そういう意味では、やはり良作ではあると思うんだけど。
原作は、『大突撃』として映画化もされたジェイムズ・ジョーンズの同名小説だ。ハーバード大で学んだ哲学に、近年はパリで教える側として親しんでいたマリックらしく、戦争への内省的考察を独特のモノローグを多用して描写した。無謀な作戦で死んでゆく兵士たちと、島の人々や自然の豊かな表情、夕暮れどきのマジックアワーの崇高な光などを対置し、神の視点で人間の蛮行をとらえてみせた。ショーン・ペンをはじめ、豪華スターが進んで参加。また、日本兵役で光石研、水上竜士らが出演しているのにも注目だ。
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