読書 『ア・ルース・ボーイ』
2005年9月28日 読書〔小説・詩〕
ISBN:4101342113 文庫 佐伯 一麦 新潮社 1994/05 ¥380
「アイ・アム・ア・ルースボーイ!」
loose〔lu:s〕a.(1)緩んだ.(2)ずさんな.(3)だらしのない.…(5)自由な.―英語教師が押した烙印はむしろ少年に生きる勇気を与えた。県下有数の進学校を中退した少年と出産して女子校を退学した少女と生後間もない赤ん坊。三人の暮らしは危うく脆弱なものにみえたが、それは決してママゴトなどではなく、生きることを必死に全うしようとする崇高な人間の営みであった。三島賞受賞今の僕の状況下で思い出す小説はこれ。少年はみんなより早く社会にで、そして僕はみんなより遅く今回社会を体験している。僕は遅咲きのフレッシュマンだけど、誰しもが社会に出るときの、あの不安と、焦燥感と、そして自分の可能性への期待、社会で一体何が自分にできるのか、そのドキドキ感というものは変わることがなく、だからこそ、そんな今、もう一度この小説を読んでみたいと思った。僕は、今までのだらけた生活、ルーズ・ボーイから、解き放たれた、独り立ちした、ルース・ボーイへと変わっていけるだろうか。
「アイ・アム・ア・ルースボーイ!」
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