ISBN:4061315315 文庫 村上 龍 講談社 1978/12 ¥370
福生の米軍基地に近い原色の街。いわゆるハウスを舞台に、日常的にくり返される麻薬とセックスの宴。陶酔を求めてうごめく若者、黒人、女たちの、もろくて哀しいきずな。スキャンダラスにみえる青春の、奥にひそむ深い亀裂を醒めた感性と詩的イメージとでみごとに描く鮮烈な文学。群像新人賞、芥川賞受賞。
一度しか読んでいなくてあれなんだけど、ラストに向かううちにカミュの「異邦人」が頭に浮かんできた。写実的な描写が、だんだん、主人公の観念的描写に移行していくというか、そういったところが、似ているからなんだと思うけど。
村上春樹の作品は、初期の作品は特にだけど、村上龍の作品と比べれば、自閉的。
村上龍は、デビューから一貫して、社会との接点を持った作品を発表してきた。村上春樹は、自開症なんて造語で、村上龍を評していたけど、最近、さらにその姿勢が顕著になってきていたように感じる。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

日記内を検索