DVD ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン 2004/04/23 ¥4,179
第二次大戦下のドイツ。実業家シンドラーは軍用ホーロー器工場の経営に乗り出し、ゲットーのユダヤ人たちを働かせた。やがて彼は、ユダヤ人たちを強制収容所送りから救うのだった。
スティーヴン・スピルバーグ監督が、念願のアカデミー賞を受賞した大作。ナチスの収容所で命を落とした親族がいるスピルバーグは、監督料を返上してまでもこの映画の製作に取り組んだ。
オスカー・シンドラーを演じたリーアム・ニーソンは、この映画でスターとなり、ナチスの将校を演じたレイフ・ファインズも大きく羽ばたいた。さらにベン・キングズレーらの脇役の熱演も光っている。20世紀における歴史的な出来事を再現した記念碑的な作品といえるだろう。
さて、シンドラーのリスト。日本にも同じような人がいたんだってね、名前なんだったっけなあ。
まあ、そんなことはさておき、市場経済の冷酷性も、ナショナリズムやナチズムの残忍性には遠く及ばない。人々のモラルが麻痺していくなかで、シンドラーは目の前で、国民とその中でのユダヤ人双方の感情を見比べることができる場所にいたがために、そのナチスの異常性を嫌がおうにも感じざるを得なかったんだろうなあ。
ストーリーを浅薄なものにしないためにはヒロイズムをできるだけ抑え、シンドラーを普通の人間として、リアルに描写することが必要になってくると思うのだけど、そこのところ、さすがスピルバーグって感じ。と思ったら、ラストらへんで見せるあからさまなシンドラーの逡巡や苦悩は、それまでがリアルだっただけに、余計演技調に感じた。そこに、晩年の黒澤に通じる、やや教条的な感じを受けて残念に思ってしまった。スピルバーグはこれでようやくアカデミー賞を取ったんだっけ?違ったかなあ。でもおめでとう。完成度の高い作品であることには違いないと思いますです。

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