ISBN:4003210220 文庫 松平 千秋 岩波書店 1992/09 ¥903
第13歌から第24歌まで。勇将アキレウスを欠き苦戦するギリシア軍。アキレウスの武具を借りて一時はトロイア軍を敗走させたパトロクロスも敵将ヘクトルに討たれる。死を覚悟して復讐戦に立ち上がるアキレウス。伝ヘロドトス作「ホメロス伝」を併載。
上巻では、主にアガメムノンが描かれていたけど、下巻では、アキレウスがダナオイ勢の中心的人物みたいになってくる。面白いのは、豪勇の士であるはずのものたちも心の中で逡巡し、そのことがきっちり描かれているのと、自らの死を前にして、悩む内容が、自分の名誉や体裁のことについてであることが多いこと。死してなお自分の名誉を考えたり、のちに蔑まれるのなら、自ら士を選ぶという考え方は、日本の侍と似ていると思った。
それにしても、ほんとにつまらない内容で戦争起こしてるなあ。ついでに、神が気まぐれで(まあ、秤で運命を計っているらしいが)、あっちに加勢したりこっちに加勢したり、人間たちは、神の意向に翻弄されて、多数の命をむげにする。哀れなるかな人間。
ホメロスは、「盲目人」の意味だったんだね。

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