ISBN:4102104011 文庫 James Matthew Barrie 新潮社 1955/10 ¥340
人間と妖精の合いの子で永遠の子供のままのピーターは、生まれて7日目に窓から逃げ出して小鳥や妖精たちの仲間入りをし、不思議な冒険の旅に出る……。幻想の世界の中でさまざまな経験をしながら、楽しく飛び歩くピーター・パンの物語は、子供だけが持つ豊かな想像と鋭い観察眼とで描かれ、リアリズムとユーモアが混交し、感傷とロマンティックな抒情にあふれる世界の名作である。
その容姿や、名前は、幼いころ誰もが親しんだであろうし、僕もそうだった。もちろん、物語も知っている。そう思って読み始めたら、かなり面食らう。というか、全然違う。こちらが原点なのだが、最初、ほんとにこの物語はピーターパンなのかと訝ってしまうほどに、僕が慣れ親しんだ物語とは、かけ離れていた。
もともと児童文学であるのかもしれないが、訳文がかなり、複雑、というか正直、あまり良い訳であるとは思えず、読み進むのにかなり忍耐を要したので、幼い子がこの小説を読んだとて、文章から、ストーリーを理解し、また、その世界を存分に思い描き楽しむといったところまでいきつくかどうか。ただ、しっかり漢字にルビがふられているのは、おおいに他の文庫にも見習ってもらいたいところ。

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