昨日見た、悪夢・・・

公務員学校に僕は通っていた。そこで友達になったm君。
僕は最初彼ととても仲がよかった。

日々を送るうちに、僕達には色んな仲間が増えていった。その内の一人のn先輩。彼は自分がいかに人を大事にするかと切々と語っていた。僕は彼を信頼した。
しかし、彼の行動に徐々に矛盾を感じ出した。彼は露骨に、人によって態度を変えるのだ。ある日僕は避けられていることをしった。それは彼の言動との矛盾だった。そしてそのことに彼は気づいていないかのようだった。僕は彼にそのことを指摘した。許せなかった。僕とn先輩との関係は崩れた。
だが、それだけでは終らなかった。
次の日から、僕と仲の良かったm君までも態度が豹変したのだった。
僕ははじめそんなのは嘘だと思った。しかし、その態度は誰の目にもあからさまだった。
しばらくの間は、僕はそのような冷遇にさらされながらも、仲の良い集団の中で友人を装っていた。
しかし僕の精神は徐々に蝕まれていき、ついには、耐えられなくなった。ある百円ショップへいつもの集団へ行ったおり、二人きりになるのを見計らい、僕はm君に小声で、「なぜ僕を無視する?」と問い掛けていた。
m君は僕の顔を見て苦りきり、無視して売り物を物色する。
そんなやり取りがしばらく続いた後、気がつけば、僕は涙ながらにm君の襟首を掴んで、声を張り上げていた。
「僕が何をしたんだ!」
赤子のように泣き叫び、声にならない声で、まるで、“無視しないでくれ”と哀願する様に訴えていた。うすうす感じていたであろう、他の友人たちは見てみぬふりをする。
だが、僕とm君のやり取りに向けられた視線を一人だけ感じた。
n先輩だった。その視線は、蔑みとも、嘲笑ともとれる、冷たいものだった。
わかっている。僕はもうm君の親友ではない。親友には戻れない。
そしてn先輩は、m君の親友になったのだろうことも。
僕の知らないうちに、そういう盟約が交わされたのだ。

叫んだときには、おそらく僕はもう関係の修復など望んではいなかったのだろう。僕は一つの疑問、“僕が一体何をしたのだ”ということ、その一点を知ることにのみ執着していたのだ。

m君は、襟首を掴んだ僕の手を振り払い、履き捨てるように言った。
「お前の人を思いやらない、その態度だよ」

百円ショップを出ていくm君の背中で僕は呆然と立ちつくす。
訳がわからなかった。思いやりがないのが僕だって?だから、n先輩は僕を避け、m君はn先輩の言うことを真としたのか?
「お前がn先輩に見ていたものは、お前自身なんだ」
混沌とした概念から一つの言葉が判然として浮かび上がる。
あれほど嫌悪した矛盾。その矛盾を抱えていた自分。僕は、n先輩の矛盾を受け入れられなかった。同様にm君もn先輩も僕の矛盾を受け入れないのだ。
彼らが取った「疎外」、という行動は僕にとって不可解であった。彼らにとっては、僕が取った「指摘」、という行為が不可解だったのだ。いや、対象を指摘し明確化する分だけ、僕の取った行動のほうが罪深かったと彼らは感じたのかもしれない。
僕には、方法において、どちらが罪深いかを図ることはできない。ただ、矛盾を受け入れられないという意味において、僕と彼らの原因は同一である。そしてそれがまた矛盾を孕むのだ。

ただ、一つ確実にいえる事は、僕は、疎外されつつも曖昧な関係性にあった集団から、今や、完全に切り離された、ということなのである。
m君、n先輩含め、僕が仲間「だった」集団は、今や、指貫ほどの小ささに遠くなり、背中を見せ、僕のほうを一顧だにふりかえる者はいない。
僕を待つものは一人もいない。

・・・という夢を見て、怖かったあ。汗びっしょり。
これは、過去の僕の姿であり、現在も僕の芯に存在する脆弱な自分であると思う。その状況が怖かったのではなく、潜在的に自分が何を恐れ、何に抗っているのかということを、夢ってのは赤裸々に、しかも容赦なく突いてくるから、怖いよね。自分がこういう自分を持っていて、それがかなり根の部分の自分だということはすでに解っているけど、こうやってあらためて、示されたりすると、かなり辛いよね。でもこういった夢を見るってことは、僕の改善が今だ皮相的な部分でしか達成されておらず、問題は厳然としてまだそこにあるという証しなのであって、そのことを再確認できたので、悪夢だけど、有益だったと思おうっと。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

日記内を検索