読書 『花ざかりの森・憂国―自選短編集』
2005年7月30日 読書〔小説・詩〕
ISBN:4101050023 文庫 三島 由紀夫 新潮社 1968/09 ¥500
「憂国」を読んで、憂国という感情は、死を演出する一つの装置に過ぎなかったのじゃないかと思う。三島は、死に憧れ、いかに死ぬかという美しさの追求に国という要素は、適材だったと。なにより、死に臨む青年は、国の為に死したというよりは、友情の為であり、そのことは重要なポイントだと思う。三島の死も、目的は、死であり、盾の会とかも、一つの装置に過ぎなかったんじゃないかなあ。三島のすべてを知りたければ、「憂国」を読め、とは三島自身の言葉。読んでいる間、ただならぬ衝動が襲った。それは僕の中の死への誘惑だったのかもしれない。そんな小説は、滅多にあるものじゃない。
すべて質が高かった。なかでも好きなのは、「遠乗会」「詩を書く少年」「女方」「憂国」。
十六歳で、少年の倦怠を描いた作品「花ざかりの森」を発表して以来、様様な技巧と完璧なスタイルを駆使して、確固たる短編小説の世界を現出させてきた作品群から、著者自らが厳選し解説を付した作品集。著者の生涯にわたる文学的テーマや切実な問題の萌芽を秘めた「中世に於ける一殺人常習者の遺せる哲学的日記の抜粋」「詩を書く少年」「海と夕焼」「憂国」等13編を収める。一六歳で書いた「花ざかりの森」の筆力は、すでにして天才の域だけど、その後の作品と比べて確かにロマン主義的。
「憂国」を読んで、憂国という感情は、死を演出する一つの装置に過ぎなかったのじゃないかと思う。三島は、死に憧れ、いかに死ぬかという美しさの追求に国という要素は、適材だったと。なにより、死に臨む青年は、国の為に死したというよりは、友情の為であり、そのことは重要なポイントだと思う。三島の死も、目的は、死であり、盾の会とかも、一つの装置に過ぎなかったんじゃないかなあ。三島のすべてを知りたければ、「憂国」を読め、とは三島自身の言葉。読んでいる間、ただならぬ衝動が襲った。それは僕の中の死への誘惑だったのかもしれない。そんな小説は、滅多にあるものじゃない。
すべて質が高かった。なかでも好きなのは、「遠乗会」「詩を書く少年」「女方」「憂国」。
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