映画 『自転車泥棒』
2005年7月27日 映画〔洋画〕
DVD アイ・ヴィー・シー 2002/07/25 ¥3,990
戦後の日本もおそらくはこんな感じだったのだろうか。
現実というものの徹底的な描写。その厳しさを見て、襟を正さなきゃと思うし、これこそドラマだと思ったりもする。
父の背中を子どもはどう見たのだろうか。たくましく成長するに違いない。
第2次世界大戦後イタリアは、ぶつけようのない怒りや悲しみ、将来への不安に満ちていた。社会の混乱のなかで懸命に生きる労働者たち。主人公リッチは妻と息子の3人家族。2年の極貧生活ののち、ようやく手に入れた仕事には自転車が必要だった。ありったけのシーツを質に入れ、自転車を手に入れるが、無情にも自転車泥棒に遭ってしまう。これはすごい映画だ。生きることの切実さ。生活していくことの苦難。仕事というものが、どれだけの意味を持つのか、衣食住が保証された中で、無職に喘いでいる僕なんか、この頃の人間にとっては歯がゆくてならないだろうし、僕自身も、どれだけ自分が甘ったれているかということを認識させられるなあ。
唯一の商売道具である自転車を探しに街へ出かける父子。その姿をとおして監督ビットリオ・デ・シーカは、88分という短い時間のなかで戦後イタリアの混沌の姿をリアルに描きだす。すべては衝撃のラストシーンの伏線であり、それは観る人たちの心に複雑な感情をもたらす。48年、アカデミー外国語映画賞受賞。主演の父子はまったくの素人を起用し、ネオ・レアリスモの存在を全世界に知らしめた。モノクロ。
戦後の日本もおそらくはこんな感じだったのだろうか。
現実というものの徹底的な描写。その厳しさを見て、襟を正さなきゃと思うし、これこそドラマだと思ったりもする。
父の背中を子どもはどう見たのだろうか。たくましく成長するに違いない。
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