人格障害 (3)

2005年7月22日 連載
【Aグループ】
『妄想性人格障害』

人は必ず裏切るものである、と確信しており、身近な人でも愛情や信頼を信じることができず、絶えず猜疑心に苛まれている。
その自分の思いこみが間違いであるとは考えず、自分の確信を証明しようと躍起になる。その疑り深さに嫌気が差した相手が距離を置くと、「やっぱり」と自分の不幸の確信を証明してしまう。
全く意味のない偶然さえも、妄想性人格障害の人には、自分の疑惑と関連づいてしまい、疑惑は確信に変わる。

人格障害の特徴として、その疑惑の念を抱いただけではとどまらず、大抵、疑惑に基づいて実行に移してしまう。

基本的な対人認識は、「他者は油断すると自分に危害を加える」というものであり、したがって、迫害念慮や被害念慮を抱きやすい。
妄想人格障害の人は、裏切られるという思いこみの為に、親密な関係が危険ゾーンとなる。信じたいという願望と裏切られるに違いないという確信が、強い葛藤を引き起こす。
他の人格障害と同様、愛と憎しみは、容易に反転し、愛情を求める気持ちが、激しい憎しみや復讐心に変わりやすい。
ストーカーや家庭内暴力などにこの障害が関与している場合が少なくない。
こうした傾向は、幼い頃や過去の屈辱的な体験や、迫害体験に根ざしている場合が多い。 

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