読書 『屈辱ポンチ』
2005年7月18日 読書〔小説・詩〕
ISBN:4167653028 文庫 町田 康 文芸春秋 2003/05 ¥450
だから、小説の登場人物のその後を想像する楽しみはあまりないといえる。おそらく彼らは、今後も不毛な毎日をカタルシスも無く起承転結も無く続けていくのだから。そして町田康は、そんな彼らの日常の一断片(どこでもいい)を適当に切りとって小説にしているのだから。
いいのだけど、ほんと余計なお世話かもしれないけど、その路線のみだと、いつか袋小路に陥らないかとか、斬新であったものが、画一化して一つのスタイルになったときに、自分の代表作として際立つ物が果たしてできるのだろうかとか、心配してしまう。
「けものがれ、俺らの猿と」は脳裏に残る題だなあ。
ひょんなことから跋丸への復讐をすることになった「自分」と帆一。考えつく限りの嫌がらせを実行するものの、なぜかうまくいかない。無言電話、百枚の白紙ファックスを送るエスカレート戦術もうまくいかない。そんな二人の珍道中を独特の文体とリズムで描く表題作と「けものがれ、俺らの猿と」の二篇を収録。あっ、そうか。町田康の作品には、カタルシスが無いんだ。そして結末も無い。起承転結も無い。そうかそうか。
だから、小説の登場人物のその後を想像する楽しみはあまりないといえる。おそらく彼らは、今後も不毛な毎日をカタルシスも無く起承転結も無く続けていくのだから。そして町田康は、そんな彼らの日常の一断片(どこでもいい)を適当に切りとって小説にしているのだから。
いいのだけど、ほんと余計なお世話かもしれないけど、その路線のみだと、いつか袋小路に陥らないかとか、斬新であったものが、画一化して一つのスタイルになったときに、自分の代表作として際立つ物が果たしてできるのだろうかとか、心配してしまう。
「けものがれ、俺らの猿と」は脳裏に残る題だなあ。
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