ISBN:4003364015 文庫 桝田 啓三郎 岩波書店 1957/01 ¥693
プラグマティズムは、もっともアメリカ的なものの考え方であり、今日のアメリカ資本主義社会とその文化を築き上げてきた基調である。本書は、このような考え方を初めて体系づけ、ヨーロッパの伝統的な思考方法を打破した点で不朽の功績をもつ。アメリカ的なものの見かたの核心は、じつにこの一冊に圧縮されている。

目次
第1講 哲学におけるこんにちのディレンマ
第2講 プラグマティズムの意味
第3講 若干の形而上学的問題のプラグマティズム的考察
第4講 一と多
第5講 プラグマティズムと常識
第6講 プラグマティズムの真理観
第7講 プラグマティズムと人本主義
第8講 プラグマティズムと宗教
生活に実用性を持つ哲学でなければ、その論争に何らの意味も持たない。
合理論者と経験論者の論議、一神教と多神教、それらはそれらでそれぞれ真に違いなく、また偽でもある。それら一方を取ることになんの意味があるのか?なるほど、そういった論争に勝利することで得られる優越感などの意味においてであるなら、まさにそういった論争もプラグマティックでありうるだろう。
宗教を信じないものは、信じないという心情において無神論は真であり、有用である。しかし、それを絶対視できるのは、自分の内心のみにおいてであり、信者にとってみれば、いかなる宗教も偽ではありえなく、それが信者の糧となる限り、その意味において、宗教は限りなく有用で、それらが正当性を言い争うことはまったくもって無意味というほかない。現実とは、様様な真の集合体であり、それら一つ一つの真から、たの真を見たとき、偽に見えるというだけの話である。
人間は、無駄な知識を欲するのであれば、トリビアは、知識欲を満たす意味において、決して無駄ではないのだ。
とてもとてもポジティブな考え方。
プラグマティズムがどんな仕組みかを知りたいのであれば、前半だけで事足りると思う。

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