ISBN:416761202X 文庫 辻 仁成 文芸春秋 2000/08 ¥480
筑後川下流の島に生まれた稔は発明好きで戦前は刀鍛冶、戦中は鉄砲修理、戦後は海苔の加工機製造などをしてきたが、戦死した兵隊や亡き初恋の人、友達、家族の魂の癒しのため島中の墓の骨を集めて白仏を造ろうと思い立つ。明治大正昭和を生きた祖父を描く芥川賞受賞後第一作。1999年仏・フェミナ賞外国文学賞を日本人初受賞。終始たおやかな感覚につつまれ、読後穏やかな心境になる。死というものに対する恐怖が氷解するかのごとく。それとともに、生の不可思議さを受け入れる。人が生に悩むのは、死を恐れているからなんじゃないかと思う。生と死が陸続きなら、なにも死を恐れたり、死にたいして積極的になることもない。人生は死後も含む。「川の流れのように」って歌があったけど、その流れは、死後もまだ続いている。
コメント
今ちょうど NHKの紅白で「川の流れのように」を天童よしみが歌っていましたね。実は先週、この小説に感銘を受けて実在する「白仏」を見にいきました。
http://blog.livedoor.jp/tsukasa326/archives/250988.html
そして、はじめまして☆
コメントありがとうございます〜。
今日はバイトで遅かったのですが、天道よしみが歌っているところはなんとか見ることが出来ました^^
白仏、を見にいったんですか〜。
この小説を読んでから見る白仏は、感慨深いものがあるでしょうね。