読書 『海辺のカフカ (下)』
2005年4月25日 読書〔小説・詩〕
ISBN:4101001553 文庫 村上 春樹 新潮社 2005/02/28 ¥780
結果として、村上作品の中では、比較的好きな部類には入るのだが、だからといって特別に気に入ったというわけでもない。
ただ、作品の細部に、あきらかに「アンダーグラウンド」以降の変化は捉えることができるけど。作者の作品に一貫する若者の内省的な空虚感以外に社会性というものが多少なりとも仄見えるのは、サリン事件や、9.11なんかも、影響しているんだと思う。
ナカタさんは、僕たち大衆であり、ジョニーウォーカーは、得体の知れない強制力だ。中身を持たない、空虚で思考できない僕たちは、強制力に抗う術えを持たない。考えなければならない。
でも、やっぱり、村上作品ってどうも必然性に乏しいような気がする。一つのファンタジーとして読めばそれはそれでいいのだけど。
少々印象に残った文章
「もしそこに呪いがあるのなら、それを進んで引き受けようと思う」
「いいかい、戦いを終らせるための戦いといういうようなものはどこにもないんだよ」
結果として、村上作品の中では、比較的好きな部類には入るのだが、だからといって特別に気に入ったというわけでもない。
ただ、作品の細部に、あきらかに「アンダーグラウンド」以降の変化は捉えることができるけど。作者の作品に一貫する若者の内省的な空虚感以外に社会性というものが多少なりとも仄見えるのは、サリン事件や、9.11なんかも、影響しているんだと思う。
ナカタさんは、僕たち大衆であり、ジョニーウォーカーは、得体の知れない強制力だ。中身を持たない、空虚で思考できない僕たちは、強制力に抗う術えを持たない。考えなければならない。
でも、やっぱり、村上作品ってどうも必然性に乏しいような気がする。一つのファンタジーとして読めばそれはそれでいいのだけど。
少々印象に残った文章
「もしそこに呪いがあるのなら、それを進んで引き受けようと思う」
「いいかい、戦いを終らせるための戦いといういうようなものはどこにもないんだよ」
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