DVD パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン 2003/02/21 ¥4,935
第二次世界大戦下、ナチスドイツの影が忍び寄るチェコの田舎町。ある日、子宝に恵まれないヨゼフとマリエの若夫婦は、収容所から逃げて来たユダヤ人青年ダヴィドをかくまうことになった。一方、マリエに横恋慕しているナチス信奉者のホルストは、何か隠し事をしているような夫婦のそぶりに疑念を抱くが…。
チェコ国内の主要映画賞を独占し、アカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされたヒューマン・ドラマの秀作。実話の映画化である。苛酷な時代情勢の中、名もなき一般庶民たちが「私たちはともに助け合わねば(映画の原題の意味)」とばかりに、次第に手に手を取り合っていく姿が感動的。決して深刻一辺倒ではなく、そこはかとないユーモアを多分に含みながらドラマを進行させていく演出の手腕も素晴らしいものがある。

素晴らしい。でも、悲しい。悲しいけど、微笑ましくて、幸福だ。これがラストで沸いてきた感情。
戦争や、悲劇の歴史、その中での血縁の運命。だけど、命あることほど素晴らしいことはない。どんな状況下でも、人は幸福を発見できる。幸福とは、人の命。つまりは、一人の命を救うためについた嘘で、もう一人の命が宿ったわけで、そこには、誰が父親であるとか、嘘だとか、そんなことよりまず命ありき。命があれば、いくらでも幸福は見つけられる。たとえ誰が父親であっても、ヨゼフにとっては可愛いわが子であり、命を授かる喜びよりもまさる都合や嘆き、悲しみなどはありはしないのだと、ヨゼフはダヴィドの子を抱き、この世に感謝する。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

日記内を検索