ISBN:4101001545 文庫 村上 春樹 新潮社 2005/02/28 ¥740
15歳の誕生日、少年は夜行バスに乗り、家を出た。一方、猫探しの老人・ナカタさんも、なにかに引き寄せられるように西へと向かう。暴力と喪失の影の谷を抜け、世界と世界が結びあわされるはずの場所を求めて。

文庫になるの早くないか?まあいいけど、上巻読んだ感じでは、今までの村上作品の中では結構好きなほうに入るかも。でも、まだ全部読んでみないとわかんないけどね。

ちょっと印象に残った言葉

差別されるのがどういうことなのか、それがどれくらい深く人を傷つけるのか、それは差別された人間にしかわからない。痛みというのは個別的なもので、そのあとには個別的な傷口が残る。だから公平さや公正さを求めるという点では、僕だって誰にもひけをとらないと思う。ただね、僕がそれよりもさらにうんざりさせられるのは、想像力を欠いた人々だ。T・S・エリオットの言う〈うつろな人間達〉だ。その想像力の欠如した部分を、うつろな部分を、無感覚な藁くずで埋めて塞いでいるくせに、自分ではそのことに気づかないで表を歩き回っている人間だ。そしてその無感覚さを、空疎な言葉を並べて、他人に無理に押し付けようとする人間だ。

俺は別に頭なんて良かねえよ。ただ俺には俺の考え方があるだけだ。だから良くみんなによくうっとうしがられる。あいつはすぐにややこしいことを言い出すってさ。自分の頭でものを考えようとすると、だいたい煙たがられるものなんだ。

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