映画 『恋の手ほどき』
2005年3月17日 映画〔洋画〕
DVD ワーナー・ホーム・ビデオ 2004/02/28 ¥1,575
アラン・ジェイ・ラーナーとフレデリック・ロウが、舞台ミュージカルを映画化した1958年の作品。このコンビは後に『マイ・フェア・レディ』でも、舞台の映画化で成功を収めることになる。退廃的な空気が支配した19世紀末のパリを舞台にした、コレットの小説「ジジ」が原作。下層階級の少女・ジジ(レスリー・キャロン)が、みるみる変身を遂げるシンデレラ・ストーリーだ。彼女の教師を演じるハーミオン・ジンゴールドとモーリス・シュバリエ、そして“王子様”役ルイ・ジュールダンが変身を助けることになる。ミュージカルってのは登場する歌に好きなものが多いかどうかでも良し悪しは決まってくるもので、これは良い。ミュージカルは楽しかったり、切なかったりするのが好きで、悲しすぎるのは苦手やね。「ウエストサイドストーリー」よりは、こっちのが好き。
脚本家で作詞も手がけるラーナーは、自分が書いた曲のなかで本作の主題歌「Gigi(ジジ)」をもっとも気に入っていると明言。その理由は明白で、「Gigi」は、思いもよらぬきっかけから愛によって変化するヒロインの姿を歌い上げ、とても印象的だ。その他の曲「Say a Prayer」「I Remember It Well」「The Night They Invented Champagne」「Thank for heaven Little Girls」も作品全体を生き生きとさせることに貢献。映画を観ずにサントラだけを聴いても、心を奪われるだろう。アカデミー賞では作品賞を含めて9部門で受賞したうえに、同じ年にシュバリエに名誉賞も与えられた『恋の手ほどき』。MGMミュージカルの最後の傑作であり、他の傑作のなかでも燦然と輝いている。
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