映画 『CURE キュア』
2005年2月21日 映画〔邦画〕
DVD ジェネオン エンタテインメント 2001/01/25 ¥4,935
医科大の精神科の学生だった萩原聖人扮する青年が、催眠術を使って偶然出会った人々の心の奥に潜む狂気を呼び覚まし、次々と殺人を教唆(きょうさ)していく。役所広司扮する刑事は事件を追っていくうちに、自らが抱える不満を表出していき、皮肉にも癒されていく。うーん、すごい。面白い。恐い。でも犯人の動機がわかんない。もう何回かみてみたいし、みてみないことにはね。キュアって癒しって意味なのかあ。自分の潜在的な欲望の開放。。欲望の一部分の発露の解放が、新たな抑圧を生んでいないところに、人間の本質の恐ろしさがあるのかな、ないのかな。いずれにしろ、もっかいちゃんと見てみないとわからん。
「僕の映画の中ではホラーならホラーといった、単純なジャンル性が次第に混乱を来していく」と監督が語っているように、この映画はサイコ・サスペンスの枠を超越し、人間のもろさや狂気を鋭い視点で描いた超一級作品。
観る者をぐいぐい引き込んでいく緊張感のあるストーリー展開のあいまに見せる、妙に広い病室、人気のまったくない診察室、空中を走る路面バスや残酷な殺害シーンのバックに流れるすっとんきょうな音楽は、現実と非現実がないまぜになった黒沢清独特のユーモラスな映画的世界だ。精神を病んだ妻を支える一見妻思いの刑事が、妻への殺意を表出し、癒されていく姿を演じる役所広司の演技は必見。
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