映画 『家族ゲーム』
2005年1月2日 映画〔邦画〕
DVD ジェネオン エンタテインメント 2001/08/24 ¥4,935
この映画ができたあたりから、核家族という問題も本格的なものになってきたのかな。家族というゲームを演じている家族は、松田勇作演じる家庭教師という他者の介入により、その演技は亀裂を生じて、最期には、崩壊する。
タイムリーな問題をそこかしこに散りばめつつも、それを露骨には感じさせず、ブラックユーモアたっぷりのコメディに仕上げている点で、その斬新な見せ方、森田監督の個性というものは、やはりその年の映画賞を総なめにするほどの、まあいわば日本映画界のひとつの事件だったんだろうなあと思う。
森田さんの初期の作品は、いわいる、シュールレアリズム。ありそうで、実は異質な世界。異質な世界を描いているのに、なんだか身近な日常性を感じさせるところが凄かった。かった、なんだけどね。
高校受験を控えた息子のために雇われた風変わりな家庭教師の出現によって、家族のありようが次第に変化していくさまを描いた、森田芳光監督のホーム・コメディ。キネマ旬報ベスト1など、その年の映画賞を総なめした名作であり、以後森田監督は「流行監督宣言」をし、時代のちょう児としてその後も意欲作を発表していくことにもなった。森田監督と松田勇作のゴールデンコンビ、だった。なぜ、だった、なのかというと、松田勇作の死と、森田監督の本作と「の・ようなもの」で見せた抜きん出た個性がその後だんだん軟着陸していっちゃったから、ちょっと残念。
横一列に家族が並んで食事する風景に代表されるように、きずながあるようでどこか薄い現代家族のとらえ方がユニークかつ秀逸。いじめ問題もさりげなく含まれ、またそれらのなかでメフィストのように家族を混乱させていく松田優作の名演など、見どころは実に多数。音楽を一切排除した手法も潔く、そのことによりラストのヘリコプターの音など現実音が、一段と印象強く観る者にせまってくることにもなった。
この映画ができたあたりから、核家族という問題も本格的なものになってきたのかな。家族というゲームを演じている家族は、松田勇作演じる家庭教師という他者の介入により、その演技は亀裂を生じて、最期には、崩壊する。
タイムリーな問題をそこかしこに散りばめつつも、それを露骨には感じさせず、ブラックユーモアたっぷりのコメディに仕上げている点で、その斬新な見せ方、森田監督の個性というものは、やはりその年の映画賞を総なめにするほどの、まあいわば日本映画界のひとつの事件だったんだろうなあと思う。
森田さんの初期の作品は、いわいる、シュールレアリズム。ありそうで、実は異質な世界。異質な世界を描いているのに、なんだか身近な日常性を感じさせるところが凄かった。かった、なんだけどね。
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