DVD ビデオメーカー 2000/11/24 ¥3,990
19世紀末の北イタリア・ベルガモ。地主制下の小作人数家族のエピソード(牛を必死に看病する農婦、捨て子を引き取る新婚夫婦、地主所有のポプラの樹で子供の樹靴を作ったために村を追われる家族・・・)を素人の出演者を起用し、自然光のもとで徹底的なリアリズム描写で綴った傑作。エンマルノ・オルミ監督。カンヌ国際映画祭グランプリ受賞。3回見た。1回目は何気なく見ただけだったけど、2回目は大学の西洋生活史の講義で見た。そのとき、以前に見た記憶があったので、興味が湧いて、もう一度、今度はじっくりと見た。これは、講義でも扱われたことからもわかるように、非常に忠実に19世紀のイタリアの人々の生活を描写している。ドキュメント以上に作為のない作品といっていいかもしれない。本物の生活を描くために、あえて素人を起用し、映画的な効果音や音楽、色彩の演出も可能なかぎり殺ぎ落としている。ゆえに、この映画はひとつの燦然たる独自性を放つ作品として成り立っている。
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