映画 『アウトサイダー』
2004年11月19日 映画〔洋画〕
DVD ジェネオン エンタテインメント 2000/07/26 ¥4,935
だから、彼らにとってはグループが社会の全部であり、家族であり、その愛する仲間を失ったという喪失感は、自分が愛されていない家族を失った時よりも、より家族的な喪失感を彼らに与えるんだろう。
彼らも好きでささくれたわけじゃない。自分を駄目だと思っている人たちは、自分が「黄金」であることに気づいてない人たちなんだ。
オクラホマ州タルサの少年グループ“グリース”と“ソッシュ”の対立を軸に、少年少女たちの行き場のない日常をつづっていく。1970年代のある種過激な映画製作から一転し、ノスタルジックな方向へ転換したフランシス・コッポラ監督が、スーザン・E・ヒントンの小説を題材に、『理由なき反抗』『ウエスト・サイド物語り』のように往年のハリウッド・ゴージャスな総天然色青春映画的ノスタルジーを狙ったとおぼしき作品。少年、少女の世の中に対する、生きることに対する心の加藤は、現象として表れる形式は違っても、今も昔も、ささくれているという面においては変わりないんだなあ。なぜ少年たちがグループを作ってたんだろう。それは擬似家族を仲間という形で作っていたんじゃないかな。特に、親の愛情を欲している者は、愛情を素直に求めずに反抗という形で希求する。愛情を得られないなら、自分たちで、愛情を与え合える場を作っちゃえ!って感じかな。
スティービー・ワンダーの熱唱する主題歌『ステイ・ゴールド』が、そうした作品のテイストを見事に代弁している。C・トーマス・ハウエル、マット・ディロン、ダイアン・レインなど時の若手スターが総動員されているGA、当時彼らはY.A.(ヤング・アダルト)スターと称され、また“ブラッドパック”とも総称されてもいた。
だから、彼らにとってはグループが社会の全部であり、家族であり、その愛する仲間を失ったという喪失感は、自分が愛されていない家族を失った時よりも、より家族的な喪失感を彼らに与えるんだろう。
彼らも好きでささくれたわけじゃない。自分を駄目だと思っている人たちは、自分が「黄金」であることに気づいてない人たちなんだ。
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