DVD ジェネオン エンタテインメント 2001/02/23 ¥4,935
原作はイザベル・アジェンデの小説で、大富豪一家を舞台にした、オールスターキャストによるロマンの物語である。
貧しい金鉱掘りから大農場主となり、上院議員にまで登りつめたエステバンと妻クララ。彼らの愛娘ブランカの愛した男性は、エステバンには許しがたい、身分違いの小作人の息子、ペドロだった。
成功の道を歩みながらも、その独断的な性格ゆえに孤独な男性の生き様を、ジェレミー・アイアンズが見事に演じきる。妻クララには、同じく演技派メリル・ストリープ。不思議な超能力をもつ天使のようなクララの存在が、この物語にファンタジー味を加えている。娘ブランカにウィノナ・ライダー、その恋人ペトロにアントニオ・バンデラス。この若手2人も、逆境でも深い愛情を貫き通すカップルを熱く演じている。
アウグストの作品は、総じて雄大な感じがして、そこがたまらなく好き。つまり、大河小説的というか、こういう作品を作れる監督は非常に限られていると思うし、それ自体ひとつの偉大な才能だと思う。
人生の酸いも甘いも、過不足なく、そして、どちらかに偏るということもなく、しかも一人の人生というのではなく、様々な人たちの人生を交錯させて、ひとつの時代という風景を構築している。そこにはやはり得もいえぬ重みを感じてしまう。クララの超能力も、それが違和感をもたせることなく、その作品の質を損なわせることもなく、描き出されている。限りない愛情とやさしさ、そして、数限りない人間像、そして、時代の大きな流れの中での人間のちっぽけさ。この作品を見ることで、そういったものに思いをはせることが出来る。
俯瞰の視点で人生が描かれているから、一人の人生でもそこには、幾度の変節があるのだということがひとつの流れとして実感できる。

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