映画 『愛のエチュード』
2004年11月2日 映画〔洋画〕
DVD アミューズソフトエンタテインメント 2002/04/26 ¥5,040
だけど、その代償に、彼はチェスの天才という称号を手に入れる。
チェスは、彼と人とをつなぎとめる鎖であり、自己の存在が認められるアイデンティティーである。しかし、そんな彼にふとチェスができなくとも彼を受け入れ、愛する女性が現われた。彼は女性の愛と、チェスへの情熱の中で揺れ動く。チェスを止めることは、自分の存在の柱をなくすことである。女性の愛をたとえ希求していたとて、その愛が彼にとって新たな存在の柱となりえるかどうかの確信は持てず、それは恐れへと変貌する。結局彼はどちらにも決めることができずに、鎖は、チェスと彼女双方に引っ張られて、最後には命と共にちぎれた。
という風に僕は受け止めた。
よい作品だと思う。
『ロリータ』のウラジミール・ナボコフ原作で、ピュアな心を持つ天才チェスプレーヤーのルージンと、美しい亡命貴族女性ナターリアの激しく悲しいラブストーリー。世界一の栄冠と愛する女性を手にしようとしたルージンは、精神的重圧に耐えられず…。ルージンは、おそらく高機能自閉症か、軽度のサヴァン症候群だと思う。小さいころは注意欠陥、多動性症候群。
だけど、その代償に、彼はチェスの天才という称号を手に入れる。
チェスは、彼と人とをつなぎとめる鎖であり、自己の存在が認められるアイデンティティーである。しかし、そんな彼にふとチェスができなくとも彼を受け入れ、愛する女性が現われた。彼は女性の愛と、チェスへの情熱の中で揺れ動く。チェスを止めることは、自分の存在の柱をなくすことである。女性の愛をたとえ希求していたとて、その愛が彼にとって新たな存在の柱となりえるかどうかの確信は持てず、それは恐れへと変貌する。結局彼はどちらにも決めることができずに、鎖は、チェスと彼女双方に引っ張られて、最後には命と共にちぎれた。
という風に僕は受け止めた。
よい作品だと思う。
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