映画 『アデルの恋の物語』
2004年10月21日 映画〔洋画〕
VHS 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2000/05/26 ¥2,079
貞節という観念が、人の人生を崩壊させるほどの力をもちうるのは、何もこの時代だからというわけではあるまい。現代にも、そういった精神は、漠然とながら一般意思を形成しているはずである。だからこそ、安易に他人の心を弄んではいけない。
フランスの文豪ヴィクトル・ユゴーの次女アデル。初恋の男を、ひたすら想い続けた彼女の姿を描く。トリュフォー入魂の名編。主演は『カミーユ・クローデル』のイザベル・アジャーニ。運命の悲哀や残酷さを描いたヴィクトル・ユゴーは、自身の人生もまた小説で記したような運命の酷薄さで彩られていたんだなあ。長女のレオポルティーヌは、結婚した当日に溺死し、この作品で描かれているアデルは、精神に破綻をきたす。我が子の不運ほど、残酷な運命がありえようか。
貞節という観念が、人の人生を崩壊させるほどの力をもちうるのは、何もこの時代だからというわけではあるまい。現代にも、そういった精神は、漠然とながら一般意思を形成しているはずである。だからこそ、安易に他人の心を弄んではいけない。
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