ISBN:4569628397 新書 八木 秀次 PHP研究所 2003/04 ¥777
占領時代の世界観にもとづいてつくられた日本国憲法。それは我が国の憲法として、もはや限界を迎えている。本書は、条文の背後にある政治哲学を捉え直し、そこに秘められた意図を暴く。▼GHQの起草者たちを魅了したスターリン憲法、昭和21年に結ばれた社会契約、そして世界連邦構想の下で盛り込まれた第九条……。▼制定後、半世紀以上が経った今、新しい事態には非現実的な解釈で対応せず、真正面から規定を改めるべきである。▼例えば、現在の日本の平和は、アメリカの強大な軍事力と自衛隊を前提として成り立っている。それを無視して「護憲」を唱えても「憲法を護って国滅ぶ」という事態を招く。有事におけるルールがないことは、逆にその際にコントロールできない危険性がある。▼その他、教育、家族、人権など、諸問題において真に論議すべきものとは何か。▼保守主義を堅持する若手論客が、日本国憲法に流れる思想の系譜を解き明かし、その本質を浮き彫りにする。
目次
第1章 憲法とは何か 
第2章 日本国憲法の功罪 
第3章 日本国憲法の系譜 
第4章 イギリス立憲君主制とコモンロー――ロックの「誤算」 
第5章 独立宣言と合衆国憲法――伝統の「断絶」から「継承」へ 
第6章 フランス革命と人権宣言――ペインとルソーの「社会契約」 
第7章 明治憲法にみる日本の国柄 
第8章 マッカーサー草案と日本国憲法 
第9章 諸問題に対する考え方 
第10章 改憲すべきはどこか
改憲の立場から著者は日本国憲法を解き明かす。全体的に、現憲法に批判的な印象。
民主主義的憲法ではあるが、その内容には、社会主義的な内容も盛り込まれており、これは、当時、日本国憲法を作った人たちが社会主義にシンパシーを感じるニューディール左派と呼ばれる人々だったこともあり、スターリン憲法の内容がそのまま持ち込まれている。「勤労の義務」、とは、もともと「働かざるもの食うべからず」という社会主義的イデオロギーであり、資本主義、自由主義のもとでは、本来働かなくても、私有財産により不労所得生活も認められるはずであり、そこには、日本社会党などの、民主主義であっても社会主義への移行が可能である、といった狙いが見受けられる。てな感じで。
憲法って非常に抽象的であって、いろんな解釈ができるんだなあってことを実感した。

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