昨日の話だけど、ミラクルなことが起こった。

電車乗り継ぎ、山口から大分に帰りついたわけだ。腹が減った。晩飯は食って帰ると親には行っているので、今日は自分へのご褒美に、ステーキでも食おう。といっても、めしや丼の『サイコロステーキ定職』のことね。

僕は店に入って、注文券を買って店員にわたし、徐に腰を落とし、後ろの片ポケットから本を取り出し、定職が来るまで読書する。
ちなみに、読んでいたのは、『日本国憲法とは何か』って本。
何か、隣から痛いくらいの視線を感じる。かなり御年配の老人が座っている。
と、定職がきて僕は本を横に置く。
すると、老人、じっと、本の題に目をやっている。
僕は、本をまた片ポケットに入れて、定職を食べだす。
僕がもう食べ終らんとするとき、その老人が口を開いた。

老人「ちょっと、その憲法の本見せてくれんかい?」

僕はええ、いいですよ、と本を手渡す。

老人「この本を書いている八木秀次とは何もんじゃ?」

僕「さあ、よく知らないんです」

僕は、作者プロフィールのページを開いて老人に見せる。

老人「君は学生か?もうこの本は読んだのか?」

僕「公務員の受験生です。今日受けてきました。本はまだ途中なのです」

と、しおりを挟んだページを開く。
そのときである。

老人「君は何か?石井と同じタイプか?」

僕「は?(^ー^;」

老人「ニューヨーク(正しくはロサンゼルス)にいっとる石井だよ。君は同じタイプだな」

僕「お・・同じタイプ・・ですか?(^◇^;)?石井って、野球の。。。」

老人「もう11勝もしとるじゃろう。奴はすごい!」

??なぜ僕が石井と同じタイプなのだ?この老人は何が言いたいのだ?
困惑する僕を差し置いて老人、さらに

老人「わしはこんな人物、ヨーロッパにしかおらんとおもっとった。まさか君のような人物がこの日本におるとは!君は日本のポパイだ!!」

え?ポっポパイ!?もうわけがわからない。老人は僕を激賞する。

老人「君はポパイだ!誉めてるんだぞ!さっきから見てたが、君はこつこつとすごい!!」

しまいには、僕の読書姿を身振り手振りを交えて真似だす始末。老人はだんだん熱が入ってきたのか、声も大きくなり店中に響き渡る。
僕は状況が飲み込めずに、とりあえず笑って御礼を言う。

僕「はっはっは。いやーありがとうございます(^ー^;A アセアセ」

すると、

老人「その笑い方から違う!!」

いったい何が違うんじゃー!?
ついには首を振り出しながら感嘆の意を示しだす老人。僕は店中の視線を集めているのがわかり、気が動転して、早く出ようと、相槌を打ちながら、汁椀に手を伸ばしたら、うっかりこぼしてしまう。
店員に汁がこぼれたことを伝えると、

老人「その言い方からして違う!謙虚じゃ。うん、君は可能性がある!この調子でやれば、いつか石井のごとく憲法を物にすることができるぞ!いやあ、こんな人物がこの日本にいたとは、わしゃ今まで知らんかったー!!」

店員も、その話聞きながら、にやにやしてる。
ていうか、この老人は、たかだか、飯を食う時間だけで、この僕の何を知ったというのだ?^^;老人は身震いするほどに感動してる。
おそらく、ゴリい人がワラジ履いて飯の待ち時間に尻の片ポケットから憲法の本なんか出して読み出したから、この老人の何かの琴線に触れたんだろうが。。。

あっ、やばい、右ホホがヒクヒクし出した。。僕のチック症状なのである。
急いで平らげ、僕は老人に「ありがとうございました、がんばります!では」といって店を出る。

老人は最後まで、首を振りながら、「いやあ、たいしたもんじゃ」を連呼していた。

・・・というありえない展開がめしや丼で繰り広げられたわけなのだ。

しかしながら、こんな激賞にあったのは生まれて初めてのことで、なんの根拠はなくとも誉められればうれしいものである。そのミラクルなシチュエーションと老人の言葉を思い出しては、帰途しばらく哄笑しつづけたのであった。うれしはずかしといった感。
願わくば、あの老人の言葉がたんなる老人の勘ではなく、何かの啓示であってほしいものだなあ。

付記;あの老人にとっては石井とポパイは同じタイプに属するわけだ。どんなタイプだ?(笑)

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