読書 『台湾人と日本精神(リップンチェンシン)―日本人よ胸をはりなさい』
2004年7月22日 読書
ISBN:4094024166 文庫 蔡 焜燦 小学館 2001/08 ¥650
まず、重要なことは、台湾人のなかには、いまだに自分たちは日本人だと思っている人が全体に3パーセントもいるってことなんですね。そして多くの台湾の高齢者は、日本が戦後台湾から撤収したのではなくて、台湾を捨てた、と解釈しているんです。これはおそらく、戦後台湾に中国国民党がやってこなかったら、そんなこと思う人もいなかったのかもしれませんが、結果的に台湾人は、殖民地としての歴史の中で、国民党と、日本を相対的に評価することになったんです。
だから、著者も、国民党への恨みが愛日への感情の礎となったことは否定できないわけで、そこには少々日本に対する過剰な美化も含まれてはいるものの、この本はマクロな視点から、台湾が追ってきた歴史を解き明かしていて、今まで日本が知る由もなかった事実が述べられていて、我々の教育というものの欺瞞性も痛いほど実感してしまうのであります。
近年、台湾では日本統治時代を正しく評価する歴史教育がスタートした。ところが、日本では自虐史観という"虚構"が、日本人から「自信」と「誇り」を奪ってしまった。本書では、「台湾には日本が今こそ学ぶべき"正しい日本史"がある」とする筆者が、「日本人よ、自信と誇りを取り戻せ」と訴える。小林よしのり著『台湾論』を巡る一連の騒動の中で、販売中止に追い込まれた「問題の書」を、この騒動についても大幅に加筆して緊急文庫化。なんなんでしょうかね。僕この本読み進めているうちに、動悸が激しくなって、そして、涙が込み上げてきて、同時に笑っちゃってたんです。うれし泣き笑いってやつですね。
目次
第1章 台湾の恩人・司馬遼太郎
第2章 台湾近代化の礎を築いた日本統治時代
第3章 「二つの祖国」―「戦争」そして「終戦」
第4章 "祖国"の裏切り
第5章 日本人よ胸を張りなさい
第6章 『台湾論』その後
まず、重要なことは、台湾人のなかには、いまだに自分たちは日本人だと思っている人が全体に3パーセントもいるってことなんですね。そして多くの台湾の高齢者は、日本が戦後台湾から撤収したのではなくて、台湾を捨てた、と解釈しているんです。これはおそらく、戦後台湾に中国国民党がやってこなかったら、そんなこと思う人もいなかったのかもしれませんが、結果的に台湾人は、殖民地としての歴史の中で、国民党と、日本を相対的に評価することになったんです。
だから、著者も、国民党への恨みが愛日への感情の礎となったことは否定できないわけで、そこには少々日本に対する過剰な美化も含まれてはいるものの、この本はマクロな視点から、台湾が追ってきた歴史を解き明かしていて、今まで日本が知る由もなかった事実が述べられていて、我々の教育というものの欺瞞性も痛いほど実感してしまうのであります。
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