DVD 東宝ビデオ 2002/09/21 ¥6,300
高橋留美子の同名人気マンガを原作に、1981年よりテレビアニメ化された作品の劇場版第2作。原作及びTVシリーズの中心的主題であったあたるとラムのラブコメ展開をスケールアップさせた劇場版第1作だったが、その同時上映だった相米慎二監督『ションベン・ライダー』を観てその映画としての自由さにひどくショックを受けた押井守の、リベンジ的作品である。
“友引高校の文化祭前日”がどういうわけか毎日続くことに気付いた瞬間、あたるやラム、面堂やメガネたちレギュラー陣を除き、友引町から人々が姿を消す…。TVシリーズ当初からチーフディレクターをつとめ、本作で「うる星やつら」を離れる押井守が、永遠に続くかに見える作品世界そのものにカツを入れた、本来の意味で完結編といってもいい大傑作。
映画好きを自称している人のほとんどがおそらくはみているであろう本作は、つまり邦画史上に残る傑作であり、うる星やつらを露とも知らぬものがみたとて、おそらくはその人生に一点の痕跡を刻むであろうほどの衝撃を持って、そのパワーは、うる星を飛び越えアニメを飛び越え一つの映画芸術の到達点にまで伸し上がり、果ては、アカデミックなインテリと呼ばれる人々までをも巻き込んでしまった。そして、当然世界にも。。。ねえ、ジェームズキャメロンさん。
押井守の巨匠伝説の幕開けであり、いまなおリアルにこの作品は語られつづけている。押井の最高傑作は?本作か、『天子のたまご』か、『機動警察パトレイバー2』になると思うが(ちなみに僕はパト2)、おそらく最も支持を集めるのは本作ではなかろうか。
対象が特化されているはずのアニメ映画で自分の思想を好き勝手に展開し、かつそれを見事なまでの娯楽に昇華させてしまった押井という監督を、僕は尊敬してやまないのだ。

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