読書 『哈日族 −なぜ日本が好きなのか』
2004年7月6日 読書
ISBN:4334032486 新書 酒井 亨 光文社 2004/05/15 ¥735
さて、台湾も、朝鮮半島も、過去日本の植民地だった。なのに、戦後、日本にそれぞれの国民が抱く反応は全く異なってる。韓国では、戦前を知る人たちは、ほとんどが反日なのに、台湾の人々は圧倒的に親日派である。同じ植民地であったのに、なぜこれほどまでに日本の印象が変わってくるのか。それは、台湾がずっと植民地だったことによるらしい。
戦後、中国国民党が台湾にはいってきて、形式的には、植民地ではないが、実質的には、植民地支配と代わらない政策を行い、徹底的な反共政策、中国語の強制などを行った。したがって、台湾の国民は、日本の植民地時代と中国国民党の政策を相対的に評価できるようになり、そして、現政府の反旗という作用も働いて、親日派が多くなったということらしい。ただ、今の台湾の若い世代は、そういった政治的・歴史的な背景からではなく、グローバリゼーションの広まりの一環としての記号的に日本文化を摂取しているにすぎず、同じ親日でもその世代間に大きな違いがある。つまりは、より浅薄で流動的な価値観の共有こそが、この「哈日族」という現象であり、台湾だけでなく世界的な現象となりつつあるのも、皮相的であるからこそともいえる。それはつまり、「日本」だから、というのではなく、韓国やその他の国であっても良いのである。それだけ、日本と台湾の文化の垣根が低くなったということであり、それは、反日が掲げる文化的侵略などというものではなく、グローバリゼーションの流れに台湾も乗っているということなだけなのだ。
最近、そういえば日本に「哈韓族」が増えてきてるなあ。
「哈日族」とは日本初の流行ファッションや音楽、キャラクターグッズ、テレビゲーム、ドラマ、漫画などが好きでたまらなく、「日本を模倣」する台湾の若者を指す。当初、ブームと思われていた「哈日族現象」は十年以上に及ぶ。一方、李登輝・前総統に代表される、日本植民地時代に日本語教育を受けた世代には日本に親近感を抱く人が多い。両世代に繋がりはあるのだろうか。哈日族(ハーリーズー)の台湾人大学生がつい最近日本に旅行して殺害されたニュースがあった。そのときちょうどこの本を読んでいたわけだが、日本は安全だという神話も、そう長くは持たないだろうなあ。いや、もう崩れてるけどね。
さらに、哈日族現象は韓国、香港、シンガポール、中国沿岸地区など、経済発展が目覚ましいアジアに広がりを見せている。
哈日族とは何者か?
哈日族現象から読める台湾・日本・アジアの意外な素顔。
さて、台湾も、朝鮮半島も、過去日本の植民地だった。なのに、戦後、日本にそれぞれの国民が抱く反応は全く異なってる。韓国では、戦前を知る人たちは、ほとんどが反日なのに、台湾の人々は圧倒的に親日派である。同じ植民地であったのに、なぜこれほどまでに日本の印象が変わってくるのか。それは、台湾がずっと植民地だったことによるらしい。
戦後、中国国民党が台湾にはいってきて、形式的には、植民地ではないが、実質的には、植民地支配と代わらない政策を行い、徹底的な反共政策、中国語の強制などを行った。したがって、台湾の国民は、日本の植民地時代と中国国民党の政策を相対的に評価できるようになり、そして、現政府の反旗という作用も働いて、親日派が多くなったということらしい。ただ、今の台湾の若い世代は、そういった政治的・歴史的な背景からではなく、グローバリゼーションの広まりの一環としての記号的に日本文化を摂取しているにすぎず、同じ親日でもその世代間に大きな違いがある。つまりは、より浅薄で流動的な価値観の共有こそが、この「哈日族」という現象であり、台湾だけでなく世界的な現象となりつつあるのも、皮相的であるからこそともいえる。それはつまり、「日本」だから、というのではなく、韓国やその他の国であっても良いのである。それだけ、日本と台湾の文化の垣根が低くなったということであり、それは、反日が掲げる文化的侵略などというものではなく、グローバリゼーションの流れに台湾も乗っているということなだけなのだ。
最近、そういえば日本に「哈韓族」が増えてきてるなあ。
コメント